こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年12月のIPO案件で、経営管理システム関連会社が12/12(火)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】アウトルックコンサルティング(証券コード:5596)
初値は1656円で、公開価格の1800円を8.0%下回りました。
期間(180日)と公開価格の1.5倍で大株主ベンチャーキャピタルのロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
2023年12月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、アウトルックコンサルティングの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:X/5点
- 成長性:3点
- 2023年まで停滞気味だが直近は増加
- 独自事業性:4点
- KPI、経営視点のSaaSサービスは独自性あり
- 初値期待値:1点
- 公募価格-8.0%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
アウトルックコンサルティングの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2006年4月 | 吉田 裕次氏(元代表取締役社長)及び磯和 治彦氏(元取締役)が共同で経営管理領域に関するソフトウエア(OutlookSoft)の販売及び導入を目的としたOutlookSoft Japan(株)(現社)を東京都中央区築地四丁目に設立(資本金17,000千円 株数340株) |
2007年3月 | 資本金を20,000千円に増資 株数400株 |
2007年5月 | ドイツのSAP SEが米OutlookSoft Corporationを買収。それに伴いOutlookSoft Japan(株)はソフトウエア販売代理店業務から脱却を企図 |
2009年11月 | 自社製品である経営管理ソフトウエア「Sactona(サクトナ)」提供開始 |
2012年12月 | 開発拠点をシンガポール ロビンソンロードに開設 |
2016年6月 | 開発センターをシンガポール ロビンソンロードから長野県北佐久郡軽井沢町に移転 |
2019年2月 | アスパラントグループ(株)が特別目的会社としてユナイテッドソリューションズ(株)を東京都港区赤坂二丁目に設立(資本金1千円 株数1,000株) |
2019年3月 | ユナイテッドソリューションズ(株)がAcclaim Capital(株)の全株式を取得 |
2019年12月 | 代表取締役会長兼社長に原 知己が就任 |
2020年2月 | 代表取締役社長に村上 和也氏が就任 |
2021年1月 | Acclaim Capital(株)と当社が合併(存続会社は現社) |
2021年3月 | 代表取締役社長にアスパラントグループ(株)出身の平尾 泰文氏が就任 |
2022年3月 | ユナイテッドソリューションズ(株)と現企業が合併(存続会社は当社) |
アウトルックコンサルティングは2006年に設立され、その後は経営管理ソフトウェア開発の提供で事業拡大してきたようです。
開発センターをシンガポールから日本国内に移すなどの変遷はあったものの、その後は企業合併等で会社規模が大きくなっています。
アウトルックコンサルティングの事業内容
アウトルックコンサルティングはクラウド対応型経営管理システムの開発、運営等が主な事業になります。
企業の予算管理・予算編成・経費予算管理などの管理会計・経営管理を高度化・効率化するためのSactonaというシステムの開発・販売・導入・保守・インフラストラクチャー提供を行っています。
経営管理分野は特定の統一されたシステムが出遅れていた分野になっており、Excelに代表される表計算ソフトを使って作成した表を用いて取り組まれてきた領域になり、
取扱い情報量や処理の増加に伴い、作業の長期化、ミスの多発、属人化などが問題視されてきた中で、「Sactona」ならびにコンサルティングサービスがソリューションとして利用拡大されてきた背景があるようですね。
アウトルックコンサルティングの収益源は大きく以下の二つがあります。
- コンサルティングビジネス
- Sactonaの利用サポートに関する収入
- ベースビジネス
- 製品ライセンス収入:Sactonaのライセンス利用料(利用者ごとに課金されるもの)
- インフラサービス収入:「Sactona」利用のためのインフラストラクチャー利用料
DX化が十分に進んでおらず、経営管理などが追いついていない企業向けのサービスとなっていますね。
マイクロソフトが基盤となっているようなので、導入に向けてのハードルは低そうです。
アウトルックコンサルティングの業績推移
売上高・営業利益は2022年3月期まではほぼ横ばい圏内でしたが、2023年3月期に急伸しています。
期末顧客企業数は年平均10数社のペースで増加しており、年々利用企業数が増加傾向にあるようです。
解約社数は年4社程度で、解約率としては3-5%程度の推移となっています。
直近では一般的なSaaS型プラットフォーマーの解約率より低い水準になっており、Sactonaの満足度が高いであろうことが伺えます。
またIPOでの調達資金の使途としては、人材確保費用、海外市場開拓費用に充てられる予定です。
「Sactona」は日本国内利用のみならず、海外企業においても利活用可能な製品であるため、海外販路をさらに拡大していく戦略があるようです。
まとめ
今回はIPO銘柄アウトルックコンサルティングについて調査してみました。
- 経理管理ソフトSactonaで事業展開、拡大
- DX化が十分に進んでいない企業がターゲット
- 成長のカギは海外展開の成功
SaaS企業は過去から人気化傾向があるので、アウトルックコンサルティングも人気がするのではないかと感じています。
社名としても、メールソフトでよく使用されているアウトルックが入っているので馴染みやすい企業名ですね。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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