こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年初のIPOが1/26に東証グロース市場に上場し、1/27に初値が付きました。
テクノロジーズ(証券コード:5248)という会社です。
注目度も高い案件になっていますので、早速どのような企業なのか調査していきます。
IPOの意味
IPOってなんだろう?何かの略称かな?
IPOとは、Initial(最初)Public(公開)Offering(売り物)の頭文字をとった略称で、未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることを言います。
株式上場に際し、通常は新たに株式が公募されたり、上場前に株主が保有している株式が売り出されます。
これら株式を証券会社を通じて投資家へ配分することがIPOをよばれます。
IPOは資金が必要な会社が実施する場合が多いんだね。
テクノロジーズ総合評価
総合評価:3/5点
- 成長性:3点
- グロース銘柄としては控えめ
- 独自事業性:2点
- 目新しい新規性なし
- 初値期待値:4点
- 公募価格+265%
このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
(あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください)
テクノロジーズの会社概要
テクノロジーズの会社沿革
年月 | 沿革 |
2014年8月 | 株式会社BEL AIR設立 |
2014年9月 | 転職マッチングサービス「Jobs」提供開始 |
2018年11月 | ITソリューション事業開始 |
2019年2月 | 「Jobs」をリプレイスし、Saas事業において人材派遣会社向け業務管理システム「Jobs」の提供開始 |
2020年7月 | 金融自動売買システム「SAZANAMI SYSTEM」提供開始 |
2021年7月 | Sales Enablementツール「Circle」提供開始 |
2021年12月 | デロイトトーマツグループ テクノロジー企業成長率ランキング 「2021年 日本テクノロジー Fast 50」受賞 |
2022年5月 | 株式会社テクノロジーズに商号変更 |
*テクノロジーズ 有価証券届出書より抜粋
テクノロジーズは2014年創業ですので、2023年現在では、まだ10年にも満たない若い会社と言えますね。
2021年に「2021年 日本テクノロジー Fast 50」を受賞されており、非常に勢いのある会社であるとみえます。
HRテック関連でJobsのサービスが大きく貢献した模様です。
また、社名が現在のテクノロジーズに変わったのも2022年5月なので、上場に向けて馴染みやすい社名に変更したのでしょうか。
上場後に企業名を変更する企業もあるのですが、会社にとっては信用を左右する選択にもなるので、タイミングが重要ですね。
テクノロジーズの事業内容
テクノロジーズはITソリューション事業、SaaS事業の2軸で事業展開しているようです。
ITソリューション事業
ITソリューション事業は主に以下の3つから構成されます。
- エンターテイメントに関連するソフトウェア開発
- AIなどのデジタル技術を利用したシステム、アプリ開発(自動車自動運転など)
- 金融自動売買システム(アルゴリズム活用)
個人的に注目したのは、エンターテイメントに関する部分です。
アパレルVR試着アプリや、遊戯機台の映像ソフトウェアの開発も手掛けているので、ソニーグループのようなエンタメ事業関連といえそうです。
アパレルVR試着では、自宅でも試着ができるので、衣服のロスを減らすためにも注目の技術ですね。
*ソニーグループの企業分析は以下記事で実施していますので、ぜひご覧ください。
SaaS事業
そもそもSaaSってなに?
SaaSとは、Software as a serviceの略称で、ユーザーのPC等にソフトウェアをインストールするのではなく、インターネットを経由してソフトウェアを利用する形態のサービスのことを指します。
テクノロジーズのSaaS事業は主に以下の2つから構成されます。
- Jobs(人材派遣会社向け業務管理サービス)
- Circle(Sales Enablementツール)
Jobsが事業の主要製品で、中小の人材派遣会社向けの業務管理システムとなっています。
スタートアップのような企業でも初期費用が掛からず、月額3万円で利用できることが魅力で、加えて政府からの補助金もあるため、スタートアップからすれば導入しやすい環境が整っているといえます。
Jobsはニッチな部分を攻めている印象ですが、ニーズは大きくあるのでしょう。
また、2021年には人材大手のディップ(証券コード:2379)と販売業務提携を開始し、販路拡大しているようです。
テクノロジーズの業績と決算期
業績推移と内訳は以下の通りです。
セグメント別営業損益 | 2022年1月期 | 2023年1月期 (見込み) |
ITソリューション事業 | 111432 | 258861 |
Saas事業 | -50762 | -98433 |
Total | 60670 | 160428 |
*テクノロジーズ 事業計画及び成長可能性に関する事項より数値抜粋
上場前時点の決算期は毎年1月期のようです。
多くの企業決算が集中している3月期とは異なりますので、テクノロジーズは個別決算での評価影響を受けやすいといえます。
業績は右肩上がりの予想となっており、売り上げの大半はITソリューション事業が占めています。
また、SaaS事業の粗利は黒字ですが、費用先行で営業利益は赤字となっているようです。
Jobsも機能が拡充されれば、追加費用が発生するようになるのでしょうかね?
スタートアップの導入障壁にならなければよいのですが…
SaaS事業が今後の成長ドライバーの位置づけのため、要注目です。
【IR情報】
2023年に7月に「エコ革」を子会社化し、再エネソリューション事業に参入しており、太陽光発電の販売・施工・保守を行っています。
上場間もなくで別事業へと参入しており、評価も分かれるところかと思いますが、今後を見据えると良い事業拡大になるのかもしれません。
再エネソリューション事業は既に既存事業の規模を上回っており、第三もしくは第一の事業柱として注目したいですね。
テクノロジーズの株価と時価総額
テクノロジーズは公開価格1000円ですが、初値はなんと3650円でした。(265%の上昇率)
私もIPOの抽選には参加していましたが、当たりませんでした。。。
いつかこのような初値大幅上昇銘柄の抽選に当たってみたいです。
終値は3600円と若干初値を下回って引けましたが、即金規制(即日現金徴収規制)の影響があったため、来週からはさらに取引が活況になりそうです。
即日現金徴収規制とは、新規上場銘柄が上場初日に値段がつかなかった場合などに、相場の過熱を抑えるために実施される資金規制になります。
終値3600円での時価総額は約98億円とまだまだ上がりそうな水準です。
加えて、年始はご祝儀相場で株式市場全体が上がりやすかったり、直近の相場影響も受けやすいと考えられます。
SaaSのJobsと同様の事業内容を展開しているのは、以下の企業が考えられますが、テクノロジーズにはIT系の事業もあるので一概に比較はできなさそうです。
- アウトソーシング(銘柄コード:2427)
- カオナビ(銘柄コード:4435)
- 【未上場】スマートHR、ポーターズ、グッジョブ
まとめ
今回は2023年初のIPO銘柄テクノロジーズについて調査してみました。
- テクノロジーズは2014年創業で若い会社
- ITソリューション事業とSaaS事業を展開
- 成長ドライバーはSaaS事業
- 人気化し初値は大幅上昇(公募価格+265%)
テクノロジーズの今後についても決算を見ながら追いかけていきます。
それではまた。
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