こんにちは、きんかぶるーむです。
2023年7月のIPO案件で、AI・エネルギー関連会社が7/7に東証グロース市場に上場しました。
【企業名】グリッド、GRID Inc.(証券コード:5582)
初値6400円(+199.1%)、公開価格2140円
期間(90日)でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、グリッドの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:4.33/5点
- 成長性:4点
- 売上高V字回復傾向
- 独自事業性:4点
- 全体最適化でカーボンニュートラル促進
- 初値期待値:5点
- 公募価格+199.1%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
グリッドの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2009年10月 | 再生エネルギー事業の会社として東京都港区芝浦に株式会社グリッド(資本金10百万円)を設立 |
2010年2月 | 太陽光発電システムの販売開始(エネルギーソリューション事業を開始) |
2011年2月 | 集合住宅用太陽光発電システムの販売開始 |
2013年6月 | 発電所運営を目的とし、グリッドソーラーファーム合同会社(完全子会社)設立 |
2014年3月 | 発電電力量予測アルゴリズムの研究開発を開始 |
2014年6月 | 発電所運営を目的とし、H&Gソーラー合同会社(関連会社)設立 |
2015年7月 | AI開発事業開始 |
2016年5月 | AIフレームワークReNom(リノーム)を開発 |
2017年1月 | エネルギーソリューション事業を縮小 |
2017年3月 | 三井物産株式会社、伊藤忠商事株式会社、丸紅株式会社と資本業務提携 |
2019年12月 | 輸送計画最適化でのサービス提供開始 |
2020年11月 | エネルギーソリューション事業からの撤退 |
2020年12月 | 電力事業者向け需給計画最適化のサービス提供開始 |
2021年4月 | スマートシティ分野でのサービス提供開始 |
2021年4月 | 生産計画最適化のサービス提供開始 |
2022年4月 | 電力需給計画支援システム実装、運用・サポートサービス提供開始 |
2022年8月 | AI配船計画システムの提供、運用・サポートサービス提供開始 |
2022年8月 | 船舶運航管理システムの提供、運用・サポートサービス提供開始 |
2023年1月 | 渋滞予測システムの提供、運用・サポートサービス提供開始 |
2023年1月 | 物流販売計画支援システム実装、運用・サポートサービス提供開始 |
再生エネルギー事業に取り組む目的で、2009年10月に東京都港区において設立されたようです。
エネルギーソリューション事業からは既に撤退済みですが、過去から太陽光などのエネルギーを主体で事業拡大してきたようです。
2015年からAI事業に乗り出し、以降はAIを活用した電力最適化や配船、渋滞予測などシステム関係の事業展開になっています。
グリッドの事業内容
「INFRASTRUCTURE+LIFE+INNOVATION」を企業理念に定め、インフラのオペレーションに関わる様々な制約を、AI技術を用いて短時間で最適な計画を提供するという計画最適化事業を展開しています。
機械学習や強化学習等のAI技術で、最適解を探索する範囲を限定し、実務に耐えうる時間で最適解を導く手法を採用しており、
コンサルティングフェーズから、AIエンジンを組み込んだシステム実装・運用・サポートフェーズまでを一気通貫して安定的な収益に繋げることをビジネスモデルとしているようです。
大きく分けて以下の3つの分野に事業展開しています。
- 電力・エネルギー分野
- 電力需要に対する計画発電、停電など
- 物流・サプライチェーン分野
- 最適な輸送計画によって輸送に要する燃料コストの削減
- 調達から販売までのサプライチェーンの計画、全体最適化
- 都市交通・スマートシティ分野
- 人の動き、消費活動、エネルギー制御等の最適化
多くがカーボンニュートラルや省電力に関する事業となるので、今後の経済活動においては必須の分野を手掛けているといえますね。
事業の特徴としては、需要予測導入効果の明確化、CO2削減効果、大手企業中心の顧客構成などがあるようです。
グリッドの業績推移
業績推移は以下の通りです。
売上高・経常利益は急速にV字回復傾向にあります。
コロナ禍の影響を受けて著しく赤字幅を拡大していたものの、2022年6月期からは回復傾向にあることが見て取れます。
主要取引先は北海道電力、ソフトバンク、四国電力となっており、全国幅広いですね。
北海道に建設予定の半導体のラピダス工場や熊本のTSMC工場近くなどで活躍が見込めそうです。
売上高の回復もそうですが、導入初期のコンサルから運用、保守サービスの展開まで実施することでストック売上として積み上げが可能となりますので、今後の成長はストック売上をどこまで積み上げられるかがカギになりそうです。
またIPOでの調達資金の使途としては、持続的成長の実現に向けたプロダクト開発等の研究開発費、事業拡大に向けた優秀な人材の採用費及び人件費、販路拡大に向けた広告宣伝費等に充当されるようです。
まとめ
今回はIPO銘柄グリッドについて調査してみました。
- 各工程最適化、電力消費最適化など企業のニーズに適したサービス展開
- カーボンニュートラル市場での活躍期待大
- 成長のカギはストック売上の積み上げ
省電力や全体最適化など、企業コンサルを従来と違った角度から行っているので、独自性はあると考えられます。
コロナ禍での売上高の落ち込みが気になる点ではありますが、目新しさの面、期待度の高さの面から人気化するのではないかと感じています。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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