こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年4月のIPO案件でAIソリューション関連会社が、
4/26(水)に東証グロース市場に上場しました。
【企業名】Ridge-i (りっじあい)(証券コード:5572)
Ridge-iの初値は4445円となり、公開価格である1750円を2695円上回る結果に。
上昇率は154%と大きく上昇しました。
公募価格1.5倍でVCの売り出しが可能になりますが、その価格を大きく超えた初値となりました。
期待の高さが伺えますね。
2023年4月は楽天銀行やレオスキャピタルワークスなど、
知名度の高い企業のIPOがありました。
近年はAI関連企業も増加しており、企業ごとに特色を出すのが難しくなってきているように思えます。
しかし、昨今の企業DXの流れもあり、企業からの引き合いが多いのは事実です。
早速どのような企業なのか調査し、Ridge-iの特徴を確認していきます。
Ridge-i 総合評価
総合評価:4.33/5点
- 成長性:4点
- 売上高増加率高い
- 独自事業性:4点
- 衛星データ解析等他AI会社にはない分野に拡大中
- 初値期待値:5点
- 公募価格+154%
Ridge-iの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2016年7月 | ディープラーニング技術を活用したビジネス課題解決を目的として設立 |
2017年5月 | 「AIを活用したモノクロ映像のカラー化」技術を株式会社NHKアートとの共同開発 |
2018年5月 | AIを活用した衛星データの解析サービスを開始。株式会社スペースシフトと共同でレーダー衛星画像解析AIによる海面の油膜検出に成功。 |
2018年10月 | 衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」の開発・利用促進を行うアライアンス「xData Alliance」に参画 |
2019年2月 | 「ごみ識別AIを搭載した自動クレーンシステム」を荏原環境プラント株式会社と共同開発。千葉県船橋市の焼却施設で運用を開始。 |
2020年4月 | 内閣府主催 第4回「宇宙開発利用大賞」経済産業大臣賞を受賞 情報セキュリティマネジメントシステム( ISMS)の国際規格「ISO/IEC27001:2013」及び 「JISQ27001:2014」の認証を取得 |
2021年1月 | AI活用の共同事業展開を目的として、株式会社オリックスと資本業務提携を開始 |
2021年3月 | SAR衛星及び光学衛星画像による全地球変化検知システム「GRASP EARTH」を無料公開 |
2022年3月 | 3次元モデル生成業務の効率化及びソリューションの共同開発を目的としてクモノスコーポレーション株式会社と業務提携を開始。内閣府主催 第5回「宇宙開発利用大賞」環境大臣賞を受賞。 |
2022年5月 | 画像及び動画を活用した共同事業の検討を目的として、セーフィー株式会社と業務提携を開始 |
現在の会社の設立としては、2016年7月で元よりディープラーニング技術を用いたビジネスで拡大してきたようです。
AIを駆使して衛星データプラットフォームや、ごみ分別のシステム開発を手掛けているようですので、
AI関連に加えて、宇宙関連、リサイクル事業関連銘柄と言えそうです。
宇宙は今後国策になる可能性も秘めていますので、事業拡大の余地は十分にありそうです。
また近頃の災害級の環境変化に対しても、衛星データは使用できると思いますので、天気関連銘柄にも加えられそうです。
個別で見ると、2021年のオリックスとの資本業務提携も大きい内容ですね!
宇宙関連事業では、2023年4月に上場した「ispace(銘柄コード:9348)」もありますので、今後は業務提携なども可能性として考えられます。
Ridge-iの事業内容
Ridge-iは大きく2つの事業で成り立っています。
- AI活用によるコンサルティング、開発サービス
- 人工衛星データのAI解析サービス
AI活用のカスタムAIソリューション事業として、コンサルテーション・プランニングからサービスの実現までを支援するフルカスタムAIの受託研究開発を実施しているようです。
個社課題にとどまらない、業界全体のAI・DX化を進めるAI活用コンサルティング・AI開発サービスが柱とのこと。
また、開発、コンサルティングから得た知見を活かして、データの取り扱いに専門的なノウハウが必要な人工衛星データの解析や関連するアルゴリズムを開発するサービスを提供しているようです。
AIサービスの特徴としてはマルチモーダルAIの開発に取り組んでいることが挙げられます。
直近では、1つのディープラーニング技術だけでは解けない課題も多くなってきているようで、ディープラーニング技術と他の技術(画像や音声など複数データ)を組み合わせて解決に導く機会が増加しているようです。
生成AIが世の中に普及し、顧客の要望ハードルも年々高くなってきていることが読み取れます。
Ridge-iの業績推移
2019年に決算期を移行し、2022年、2021年の2期は赤字となっていますが、
2022年期は最高売上高、経常利益も黒字化しています。
AI関連というところでは、今後は利益率も求められる指標となりそうです。
Ridge-iの成長戦略としては以下が掲げられています。
- ストック収益の拡大に向けたアクション
- 顧客企業との共同事業案件の確かな推進
- プラットフォーマーへのAIライセンスの提供
- コンサルティングファームとの連携による大規模な事業共創案件の獲得
- AI及びデジタル技術の知見をコンサルティングファームに共有、補完関係を構築し、中長期テーマを共同で展開
- 次世代AIの進化を見据えた研究開発
- 官能検査・生成系AI・マルチモーダルなど、次のAIへの期待に応えるための先行研究と事例を発信し、優秀な研究者・エンジニア採用による事業拡大
- 人工衛星データ解析AIでの国内リーディングポジションの確立とグローバル展開
- 衛星解析AIを強みに、人工衛星解析市場の拡大に合わせ、環境テーマ等のニーズを先読みし、官公庁と民間の両方へのアプローチを行い事業展開
コンサルティング業界とのマッチアップはなかなか珍しいのではないでしょうか。
案件と難易度に合わせて、AIソリューションを提供できるモデルを構築できれば、継続的にコンサルティング会社から案件受注が可能と考えられます。
人工衛星データの件は防衛の観点からも必須となってくるので、最も伸び代がありそうです。
IPOで調達した資金用途としては、システム開発や事業拡大に伴う人件費及び研究開発費用が挙げられています。
上記成長戦略の3に該当しますね。
まとめ
今回はIPO銘柄Ridge-iについて調査してみました。
- 設立から若い会社だが、宇宙分野で実績あり。
- 次世代AI開発も手掛けており、技術力を有する。
- 成長のカギはコンサルティングファームとの協業と宇宙関連事業の拡大
AI関連銘柄が多数上場している中ですが、宇宙関連として政府から賞も受賞しているようなので、上場後も人気化しそうだと感じています。
国策銘柄として日本を牽引する会社に成長してほしいですね。
上場後の値動きに注目です。
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それではまた。
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