こんにちは。きんかぶるーむです。
2024年3月のIPO案件で、スタートアップ、マーケティング支援,企業ブランディング支援会社が3/25(月)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】イシン株式会社、Ishin Co., Ltd(証券コード:143A)
初値2234円で公開価格の1080円を106.9%上回りました。
期間(180日)でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
株価でのロックアップ解除がなく、またVCの保有もないため、売り圧力は少なそうです。
2024年3月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
イシンと聞くと、政党の日本維新の会を想像してしまいますね。
早速どのような企業なのか調査し、イシンの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:4.33/5点
- 成長性:3点
- 売上高の伸びは堅調
- 独自事業性:5点
- スタートアップ支援と公民共創での独自性高い
- 初値期待値:5点
- 公募価格+106.9%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
イシンの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
1999年12月 | ベンチャー業界メディア『フロンティア(現ベンチャー通信)』を創刊(メディアPR事業のサービス開始) |
2005年4月 | 東京都渋谷区神南にて株式会社幕末(資本金50万円)を設立 |
2005年6月 | 成長が期待されるベンチャー企業を紹介するメディア「ベストベンチャー100」の提供を開始(2007年にベンチャー企業向けの有料会員制サービスに変更) |
2009年5月 | 経営者の“経営力”を上げる情報メディア『経営者通信』を創刊 |
2009年7月 | 東京都港区白金台にて企業向け動画サービス提供を目的として株式会社幕末ムービーを設立 |
2012年12月 | 子会社管理の目的でシンガポール現地法人Bakumatsu Holdings Pte. Ltd.を設立. 東南アジアでのメディア運営を目的としてシンガポール現地法人Bakumatsu Singapore Pte. Ltd.を設立 |
2014年1月 | GMOインターネット株式会社(現GMOインターネットグループ株式会社)、GMO VenturePartners株式会社の共同出資により、ベンチャー企業に対する投資育成を目的としてGMOベンチャー通信スタートアップ支援株式会社を設立(現関連会社) |
2014年8月 | イシン株式会社に商号変更 |
2014年9月 | 自治体の“経営力”を上げる情報メディア『自治体通信』を創刊(公民共創事業のサービス開始) |
2015年7月 | アメリカでのメディア運営を目的として、アメリカのデラウェア州にIshin USA, Inc.を設立(グローバルイノベーション事業のサービス開始)(現連結子会社) |
2015年11月 | 東南アジア・インドのVCファンドに投資する目的で英領西インド諸島、ケイマン諸島にIshin GlobalFund Ⅰ L.P.を設立(現連結子会社) ファンドを運用管理する目的で英領西インド諸島、ケイマン諸島にIshin Global Fund Ⅰ Limitedを設立(現連結子会社) |
2016年4月 | メディア広告の拡販を目的に東京都新宿区新宿に株式会社Nメディアを新設分割 |
2017年8月 | Ishin SG Pte. Ltd.がグローバル教育事業の共同立ち上げを目的に、シンガポールでインターナショナルスクールの入学斡旋を行うCulture Connection Pte. Ltd.(本社:シンガポール)と資本提携 |
2019年4月 | 採用オウンドメディア(注)制作サービス「HIKOMA CLOUD」の提供を開始 イスラエルのテルアビブ市にイスラエル支店を開設 |
2019年5月 | 企業の自治体向けの架電業務を代行する、テレマーケティングサービスの提供を開始 |
2020年6月 | イスラエル支店を閉鎖 |
2020年12月 | 自治体と民間企業の情報流通プラットフォーム「RABAN」の提供を開始 |
2021年4月 | イノベーション情報ポータル「BLITZ Portal」の提供を開始 |
2022年4月 | 企業の自治体向けのWEBマーケティングを総合的に支援する「BtoGプラットフォーム」の提供を開始 |
イシンは1999年に創業され、マーケテイングサービスや情報通信サービス事業を展開して拡大してきたようです。
自治体関係は日本を中心に行っており、ベンチャー企業の支援や情報誌の創刊も行っているようです。
また、アジアを中心に海外展開も行っており、事業は多岐に及んでいるようです。
海外でも展開できるノウハウが蓄積されていると想定されます。
イシンの事業内容
イシンは「世界的視野を持った事業家たちが差別化された事業を通じて社会の進化に貢献する」を経営理念に掲げ、メディア事業を起点にして新規事業を開拓してきました。
現在は主に以下の3つの事業で成り立っています。
- 公民共創事業
- グローバルイノベーション事業
- メディアPR事業
順番に詳しくみてきます。
公民共創事業
自治体と民間企業をつなぐ、自治体デジタルトランスフォーメーション(DX)を中心に、防災・危機管理、学校教育・生涯学習、公共インフラ、健康福祉、地方創生など幅広いテーマで、
主に大手・中堅企業の自治体向けマーケティング等の業務を一気通貫で支援している事業になります。
自治体・民間企業の両者の間に立ち、サービスを通じて両者の課題解決を支援しており、以下が主なサービス内容になります。
- BtoGプラットフォーム
- 企業の自治体向けのWEBマーケティングを総合的に支援するサービス。カスタマーサクセスサービスもあり、プラットフォームを利用している民間企業からの月額利用料で収益を上げる(ストック売上)。
- 自治体通信
- 課題解決に取り組む自治体とその取り組みをサポートする民間企業を紹介する情報誌。自治体でのソリューションの導入事例を紹介して支援。
- テレマーケティング、ウェビナー等の各種ソリューション
- 民間企業向けに自治体に対する架電業務を代行するサービス。顧客に自治体のリード情報や調査レポートを納品。
グローバルイノベーション事業
日系大手企業と国内外のスタートアップをつなぐサービスを提供。
成長産業に特化した情報提供サービスや各種ソリューションを通じて、大手企業のオープンイノベーションの推進を支援しているようです。
アメリカ中心での事業のようで、米国での現地スタートアップの調査及び取材、現地の日系大手企業の販売及び顧客フォローを実施しているようですね。
成長産業やスタートアップが多数生まれている米国ならではの事業で伸びしろと独自性を感じますね。
メディアPR事業
主に成長ベンチャー企業向けにブランディング及び採用支援を実施するサービスになります。
クチコミやSNSなどで風評被害につながるケースが増加している近年において、企業が正しい情報をステークホルダーにわかりやすく伝達する必要性が高まっており、ニーズが上昇しているようです。
採用需要の旺盛な成長企業を中心に導入が進み、成長ベンチャー企業の経営者とのネットワークを活かした大型のカンファレンス開催がメインサービスのようです。
スタートアップはまず第一に人員確保が難しい課題になりますので、その支援を行っているようですね。
イシンの業績推移
業績推移は以下の通りです。
売上高は近年増加傾向にありますが、利益面はここ2期でほぼ横ばいのようです。
2023年3月期の各セグメント利益の内訳は以下の通りです。
2023年3月期 | ||
セグメント | 販売高(百万円) | 構成比(%) |
公民共創 | 417 | 36.3 |
メディアPR | 396 | 34.5 |
グローバルイノベーション | 335 | 29.2 |
合計 | 1,148 | 100 |
公民共創事業の割合が高く、今後も成長が見込まれる「社会トランスフォーメーションに関わる市場機会」になります。
公民共創事業でのターゲット規模は約600億円と試算されており、成長可能性が高い事業領域になるので、今後の成長ドライバーとしての位置付けになりそうです。
メディアPR事業及びグローバルイノベーション事業については、ストック売上の積み上げを中心とした安定成長・収益性が特徴になっているので、この2つを柱として、公民共創事業を拡大していけるかがポイントになりそうです。
またIPOでの調達資金の使途としては、システム開発費・新規事業開発費・採用関連費・運転資金に充当する予定のようです。
サービスの魅力拡大のための投資資金となりそうですね。
まとめ
今回はIPO銘柄イシンについて調査してみました。
- 公民共創事業が成長ドライバー
- ストック収益を基に第3、第4の事業育成を見込む
- ベンチャー支援が独自性あり
地方自治体の改革の需要もあり、公民共創事業で頭角を表しそうです。
ベンチャー支援という一面もあるので、米国で思いがけない成長を期待できそうですね。
目新しさの面から人気化するのではないかと感じています。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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