2024年3月のIPO案件で、障害者雇用サポート関連会社が3/26(火)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】JSH、(ジェイエスエイチ、JSH Co.,Ltd.、証券コード:150A)
初値893円、公開価格の456円を95.8%上回りました。
期間(90日or180日)か公開価格の1.5倍でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
ベンチャーキャピタル(VC)が多いので、注意が必要です。
2024年3月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、の特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:4.0/5点
- 成長性:4点
- 売上高は順調に成長中
- 独自事業性:4点
- 障害者雇用支援,訪問看護という特化型サービス
- 初値期待値:4点
- 公募価格+95.8%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
JSHの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2016年4月 | 医療機関等を主な対象先とする訪問診療コンサルティング業務を開始 |
2016年9月 | 医療福祉領域の人材紹介事業のため、当社にて有料職業紹介を行うこと等を目的とした有料職業紹介事業許可(許可番号13-ユ-307940)を取得 |
2017年10月 | 事務業務の支援を行っていた日本在宅医療株式会社の買収・完全子会社化により、在宅医療事業として訪問看護及び訪問診療サポートサービスを開始(訪問看護ステーション コルディアーレ) |
2017年11月 | 東京都中央区に連結子会社ジャパンサポート株式会社(資本金10,000千円)を設立し、在宅医療機関等を対象先とする訪問診療コンサルティング業務を同社に移管.長崎県五島市に連結子会社株式会社トレースエンタープライズ(資本金10,000千円)を設立し、地方創生事業における障がい者雇用支援事業を開始 |
2018年1月 | 株式会社トレースエンタープライズにて地方創生事業における観光物産事業として長崎県五島市の地場産品等の物販事業を開始 |
2018年4月 | 株式会社トレースエンタープライズにてコルディアーレ高田農園(長崎県五島市)を開園 |
2019年2月 | 事務業務の支援を行っていたインタービーイング株式会社(インタービーイング 訪問看護ステーション)を買収・完全子会社化し、在宅医療事業における訪問看護サービス機能を強化 |
2019年10月 | 観光物産事業における募集型企画旅行の取り扱いを目的として、当社にて第二種旅行業者に登録(長崎県知事登録旅行業2-200号) |
2019年11月 | 在宅医療事業と地方創生事業のシナジーの発揮や重複する事業の整理並びにグループ間取引に伴うコスト削減及び管理部門の強化等を目的として、JSHを存続会社 |
2021年11月 | 地方創生事業の経営管理業務を行うこと等を目的として、福岡県福岡市博多区に福岡本社を開設 |
JSHは2016年に設立され、訪問診療コンサルティングや医療福祉関係の業務紹介から、訪問医療や在宅医療を中心に事業展開してきたようです。
地方創生の考えから、近年は地方にも手を伸ばしているようです。
JSHの事業内容
JSHは「人を通じて、喜びを作り、幸せを作る」を企業理念とし、在宅医療事業及び地方創生事業で成り立っています。
事業の特徴は以下の通りです。
- 在宅医療事業
- 精神疾患者の増加に伴う在宅医療ニーズの高まりを受け、医療機関への訪問診療のコンサルティング
- 精神疾患者を対象者とした看護師職員等による訪問看護サービス
- 地方創生事業
- 過疎化の進展に伴う人口減少や地場産業の衰退に伴う雇用機会の減少等、地方が直面している課題解決に向けて、障がい者雇用支援事業、観光物産事業を展開
在宅医療事業は、精神疾患者の家族の負担軽減にも役立つと考えられるため、非常にニーズが高まりそうです。
若年者による介護の負担問題等も近年は大きくなってきているので、政府からも注目されそうですね。
地方創生事業については、「地方への新しいひとの流れをつくる」ことも基本目標として挙げられているので、人口の分散という意味でも価値が高いと考えられます。
観光物産事業においては民泊や体験プログラムを通じたサステイナブル・ツーリズム等の推進にも取り組んでいるとのことで、地域の活性化やインバウンド客の誘致という面でも注目されそうです。
JSHの業績推移
業績推移は以下の通りです。
売上高はきれいな右肩上がりの増加傾向にあります。
コロナ禍の影響を受けたであろう2020年-2021年にも売り上げを伸ばしていますね。
売上高には下期偏重の傾向があるようです。
地方創生事業の障がい者雇用支援事業は企業向けに提供するサービスであり、顧客企業は毎年3月末までにサービスの提供を求める例が多いようです。
一般的な人材紹介会社と同様ですね。
売上高が順調な一方で利益面はまだまだ改善が必要な状況のようで、2023年3月期の経常利益率は5.4%になっています。
訪問看護の価値は今後高まっていきそうなので、うまく価格転嫁して、利益率向上につなげてほしいですね。
2023年3月期時点で、営業所を含め、20箇所に訪問看護ステーションを開設しており(地方創生事業における3箇所の訪問看護ステーションを含む)、今後も拠点を増やして対象範囲を拡大していきそうです。
またIPOでの調達資金の使途としては、新たな農園設備費用、広告宣伝費用に充当される予定とのことです。
新たな施設の開設で、障害者雇用を生み出し、売上高のさらなる向上が見込めそうです。
まとめ
今回はIPO銘柄JSHについて調査してみました。
- 新会社となってから日は浅いが、売上高は右肩上がりで根強いニーズがありそう
- ターゲットは障害者の雇用支援
- 成長のカギは訪問医療ニーズの伸び
障害者の雇用サポートと訪問診療という観点で、日本社会のニーズをとらえられているので、人気化するのではないかと感じています。
しかし、サービスの母数となる障害者も人口減少に伴って減少すると考えられるので、先細りが不安です。
3月には多数のIPOがありますので、より突出した注目度が必要になりそうですね。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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