2024年3月のIPO案件で、金属部品関連会社が3/21(木)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】STG CO.,LTD.(エスティージー、証券コード:5858)
初値:3215円、公開価格:1920円を1295円(+67.4%)上回りました。
地合いの良さも相まってIPO人気も高まっています。
期間(90日or180日)か公開価格の1.5倍でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
VCが多いので、需給悪化に注意が必要です。
2024年3月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
日本の化学メーカーは根強い人気があり、業績は堅調に伸びやすい傾向にあります。
2023年には南海化学が上場を果たしています。
早速どのような企業なのか調査し、STGの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:X/5点
- 成長性:4点
- 子会社化影響大きく、自動車業界需要も大きいので、成長性見込める
- 独自事業性:5点
- マグネシウム合金事業は参入障壁高く、独自性高い
- 初値期待値:4点
- 公募価格+67.4%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
STGの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
1975年11月 | 初代社長 佐藤武幸がアルミニウム表面加工等を目的に個人事業主として創業。 |
1976年4月 | アルミニウムダイカストの仕上加工開始 |
1998年8月 | マグネシウム粉塵爆発対策として湿式集塵機を開発(特許第3481487号)。 |
1998年9月 | マグネシウムの鋳造から加工の一貫生産を行う株式会社TOSEIとの協業でのマグネシウム製品の一貫生産を目的として三島工場を静岡県三島市に設置 |
2004年4月 | ブラスト加工時間短縮を目的としてブラスト加工装置を開発(特許第4249079号) |
2006年5月 | 各種金属製品製造販売を目的として中国・香港に三輝特殊技研(香港)有限公司(現連結子会社)設立。中国深圳工場操業開始 |
2007年4月 | 検査業務などを担っていた株式会社サンケンを吸収合併 |
2011年9月 | マグネシウム成型品の製造販売を目的としてタイ国アユタヤ県サハラタナナコン工業団地にてSANKI EASTERN (THAILAND) COMPANY LIMITED(現連結子会社)を設立 |
2011年12月 | 三輝特殊技研(香港)有限公司が100%出資し、中国・深圳にて、中国国内向けの金属製品製造販売を目的とした深圳市参輝精密五金有限公司(現連結子会社)を設立 |
2012年5月 | タイ工場操業開始 |
2017年2月 | ブラスト被加工物の加工効率向上を目的とした「バレルック」ブラスト装置 実用新案(第3208678号) 登録 |
2019年6月 | 東京証券取引所 TOKYO PRO Marketに株式を上場 |
2021年3月 | マレーシアにてアルミニウム成型品の製造販売を営むSTX PRECISION (JB) SDN.BHD.(現連結子会社)を買収し子会社化 |
創立は約50年前であり、老舗企業といえますね。
アルミニウムやマグネシウム事業を展開し、海外展開も積極的に行っており、タイや中国、マレーシアに連結子会社があるようです。
2019年にはTokyo PROマーケットにも上場を果たしており、すでに実績はありますね。
長年培われた実績から生産基盤は根強くありそうです。
STGの事業内容

STGは経営理念として「3つの輝き(お客様の輝き~期待以上の成果~・働く仲間の輝き~物心両面の満足~・社会全体の輝き~正しい納税~)」を掲げるメーカーになります。
STGは軽量化金属部品の製造加工事業を手掛けており、マグネシウムを中心に金型設計から組み立てまで一貫した生産を行っています。
2023年3月期の売上比率はアルミニウムダイカスト48%、マグネシウムダイカスト43%となっており、グローバルに製品供給できる体制が特徴になります。
マグネシウムダイカストについては、燃費効率を上げるために軽量化を図る自動車業界での需要があり、現在需要が拡大している、電気自動車やハイブリッド車などに使用されているようです。
またマグネシウム合金は、放熱性良好、電磁シールド性良好等の特長を有しており、持ち運びや軽量化の際に使用されるパターンが多いですね。
具体的には、LEDヒートシンクや監視カメラ、光学機器のシャーシ、自動車メーターパネルなど用途は様々です。
STGの業績推移
業績推移は以下の通りです。

売上高・経常利益は直近2年で増加傾向にあります。
2021年にマレーシアでのアルミニウム成型品の製造販売を営む会社の子会社化を行ったことが寄与していそうですが、直近の自動車業界における需要拡大影響もありそうです。
マグネシウムは発火しやすく、腐食しやすいという特徴があり、複雑な加工には高度な技術が必要となるため、参入障壁が高く同業他社が少ない点はSTGの競争力としてとらえられそうです。
車体の軽量化及び部品の超精密化はこれからのカーボンニュートラル時代に求められる性能であり、マグネシウム合金は軽さや精密化を支える素材として期待されている一方で、取り扱いが難しく高い技術力等が求められるため、STGは唯一無二の企業になれるポテンシャルを秘めていますね。
またIPOでの調達資金の使途としては、製造設備の拡充等に充当する予定のようです。
事業拡大の一環で利用されるようですね。
BtoB企業になるので、表には出てきませんが、自動車業界での需要拡大の影響を大きく受けそうです。
まとめ

今回はIPO銘柄STGについて調査してみました。
- 創業から約50年の老舗企業
- 成長のカギは自動車業界の需要拡大
- 参入障壁が高いマグネシウム合金技術が強み
同業他社が少ない点は評価が高まる部分と思いますので、上場後に堅調な成長が見られれば人気化が見込めそうです。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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