こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年9月のIPO案件で、マルチQRコード決済サービス関連会社が、9/26(火)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】ネットスターズ(証券コード:5590)
ネットスターズの公開価格は1450円です。
初値は9/26に1334円になりました。
公開価格-8%になります。
大半の大株主のロックアップが180日で設定されていますが、VCが90日の公開価格1.5倍で設定されています。
上場後すぐはVCの売り圧力が残る可能性が高いです。
2023年9月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
Paypayや楽天ペイ、LINEpayなどQRコード決済が広く大衆に普及し、5年程度が経過したところでの関連会社上場になります。
早速どのような企業なのか調査し、ネットスターズの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:3.33/5点
- 成長性:4点
- 売上高成長率高い
- 独自事業性:5点
- コードレス、QR決済サービスのプラットフォームになり得る
- 初値期待値:1点
- 公募価格-8.0%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
ネットスターズの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2009年2月 | IT事業を中心とした事業立ち上げを企図し、株式会社ネットスターズを千葉県千葉市美浜区に設立 |
2010年11月 | 国際通信、国際SMSサービス開始(2023年4月終了) |
2015年4月 | 騰訊控股有限公司(Tencent Holdings Limited)とWeChat Pay(QRコード決済)の代理契約を締結 |
2015年7月 | QRコード決済サービスであるStarPayを開始 |
2016年7月 | QRコード決済サービスにおける連携を深めることを目的として、株式会社新生銀行(現 株式会社SBI新生銀行)と資本業務提携 |
2017年1月 | QRコード決済専用端末を販売開始 |
2017年12月 | アジアを中心とした海外展開を目的として、エヌ・ティ・ティ・ベトナム株式会社(現 NTTイーアジア株式会社)と資本業務提携 |
2018年2月 | QRコード決済サービスにおける連携を深めることを目的として、LINE株式会社と資本業務提携StarPay決済サービスにLINE Payを追加 |
2018年4月 | StarPay決済サービスにAlipayを追加 |
2018年10月 | StarPay決済サービスにPayPay、楽天ペイを追加 |
2018年11月 | NETSTARS ASIA HOLDINGS PTE. LTD.(連結子会社)をシンガポール共和国に設立 |
2019年9月 | QRコード決済サービスにおける加盟店拡大及びアジア・中東への海外展開の推進を目的として、伊藤忠商事株式会社と資本業務提携 |
2020年1月 | NETSTARS VIETNAM CO., LTD.(連結子会社)をベトナム社会主義共和国に設立 |
2020年9月 | LINE Payでの決済機能を搭載したミニアプリを導入できる支援サービス「StarPay-mini forLINEミニアプリ」の提供開始 |
2022年3月 | QRコード決済サービスにおける連携を深めることを目的として、サツドラホールディングス株式会社の連結子会社である株式会社リージョナルマーケティングと資本業務提携 |
2015年のQRコード決済StarPayを皮切りに種々のQRコード決済会社を決済サービスに組み込んで成長してきたようです。
会社設立からはまだ9年しかたっておらず、新しい会社となります。
近年は日本国内に留まらず、中国やベトナム、シンガポールなど主要アジア地域への進出も魅せています。
ネットスターズの事業内容
「お金の流れを、もっと円(まる)く」をミッションに掲げて、決済業界だけでなく、DXが進む中、多くの企業が直面する課題の解決に向けて事業展開しているネットスターズ。
ネットスターズの主力事業はキャッシュレス決済ブランドをまとめるマルチQRコード決済サービス「StarPay」の提供(フィンテック事業)になります。
消費者としてキャッシュレス決済をするだけでは、馴染みがない名前ですね。
QRコード決済を導入している店側でないと知らない内容でしょうか。
キャッシュレス決済市場には多くのキャッシュレス決済ブランドがあり、ネットスターズ提供の「StarPay」を導入することで次のメリットがあります。
- 加盟店側:多様な決済手段・ブランドを一括して契約利用できる
- 決済事業者側:自社の決済サービスをより多くの加盟店に導入できる
端末を導入したら双方にメリットが出る仕組みですね。
ネットスターズ提供の「StarPay」の収益構造は、利用の対価として加盟店の決済額に応じた手数料を受領するモデルになっています。
決済額に応じて手数料が支払われるため、店側のQR決済による売上の増加がそのままネットスターズの売り上げ増加につながります。
【2024年3月25日の発表】
三井住友カード株式会社と三井住友カードが提供する決済プラットフォーム「stera」の決済端末「stera terminal unit」「stera terminal mobile」のコード決済ゲートウェイに採用されたとのIRが出されました。
ネットスターズのコード決済ゲートウェイに採用されたことをうけて、ネットスターズがコード決済のプロセシング業務を行い、三井住友カードがコード決済のアクワイアリング業務を行う体制となって、コード決済の加盟店拡大を目指すとのことです。
規模の大きい三井住友カードの決済ゲートウェイに採用されたことで、今後の事業の拡大が見込めるようになりますね。
ネットスターズの業績推移
ネットスターズの直近5期の業績推移は以下の通りです。
売上高は急速に増加傾向ですが、経常利益は赤字続きになっています。
赤字理由としては、人件費(新規加盟店獲得に関する開発人員および営業人員の採用)や販売促進活動といった先行投資が挙げられています。
今後も加盟店獲得を優先して先行投資を継続する方針で、赤字は継続する見込みとのことですね。
赤字が継続することは上場間もない会社にはありがちですが、いつ黒字化するのかという視点は重要になってきますね。
QRコード決済市場としては今後も伸び続けていくことが予想されますので、ターゲット層としては順々に拡大していくと考えられます。
またIPOでの調達資金の使途としては、事業拡大を目的とした設備投資及び、加盟店増加に向けての新規人材採用費が挙げられています。
売り上げの伸び率としては上々ですが、個人的には先行投資に対する損益分岐点がどこかを明確にしてもらいたいですね。
まとめ
今回はIPO銘柄ネットスターズについて調査してみました。
- 新会社となってから日は浅いが、数々のQRコード決済会社を巻き込んだ決済サービス提供で事業拡大中。
- 先行投資で赤字が継続。
- 成長のカギは加盟店の増加
フィンテック事業のため、比較的人気を集めそうではありますが、ベンチャーだから赤字がどこまで受け入れられるかが焦点です。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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