こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年9月のIPO案件で、中古車関連会社が9/26(火)に東証スタンダード市場に上場します。
【企業名】オートサーバー(証券コード:5589)
オートサーバーの公開価格は2670円です。
初値は9/26に2280円になりました。公開価格の-14.6%になります。
大株主のロックアップが180日で設定されているので、上場後しばらくは需給が締まっていそうです。
2023年9月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
中古車業界はビッグモーターの不正水増し請求問題や損保ジャパンとの癒着問題、同様のネクステージの問題など激震状態ですが、オートサーバーはいかがでしょうか。
早速どのような企業なのか調査し、オートサーバーの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:1.67/5点
- 成長性:1点
- 売上高横ばい。成長性厳しい。
- 独自事業性:3点
- 中古車オークションの売買会社はある程度限られている。
- 初値期待値:1点
- 公募価格-14.6%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
オートサーバーの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
1997年6月 | 株式会社オートサーバー(旧オートサーバー)創業(愛知県豊橋市) |
1998年5月 | インターネットを利用した自動車売買の仲介並びに付随サービスを提供する事業 者向けプラットフォーム「ASNET」の運営を開始。 ASNETにおいて業者間中古車売買仲介サービス「ASワンプラ」の提供を開始 |
1999年9月 | オートオークション会場との業務提携を開始し、ASNETにおいてオークション落札等代行サービス「オークション代行」の提供を開始 |
2001年4月 | メーカー系オークション会場との接続開始 |
2009年11月 | バイクオークション会場との業務提携を開始 「オークション代行」において、バイクオークション代行サービスの提供を開始 |
2011年6月 | 自動車部品のリサイクル商品を取り扱う通販サービス「AS中古パーツ」の提供を 開始 |
2014年1月 | 台湾・グレタイ証券市場(GTSM市場)に株式上場 |
2016年2月 | ASNET会員の中古車小売業務を支援するスマホアプリ「みるクル」の提供を開始 |
2016年3月 | GTSM市場を上場廃止 |
2016年6月 | 旧オートサーバーを完全子会社化 当社を吸収合併存続会社、旧オートサーバーを吸収合併消滅会社とする合併を行 うと共に、商号を株式会社オートサーバーに変更 |
2018年8月 | システム開発体制の強化のため、オフショア開発拠点としてベトナムのホーチミ ンに子会社「AUTOSERVER VIETNAM CO.,LTD.」を設立 |
2022年10月 | スマートフォンアプリ「マイページアプリ(iOS版/Android版)」をリリース |
オートサーバーは1997年から中古車事業を開始し、事業規模を拡大してきました。
2014年1月には台湾の新興株式市場であるグレタイ証券市場(GreTai Securities
Market、(GTSM市場))に株式上場していましたが、
国内事業強化及び経営資源の集中投下のため、株式保有の集中による機動的な意思決定が不可欠であると判断し、2015年11月にマネジメント・バイアウトを実施し、2016年3月にGTSM市場への上場を廃止した経緯があります。
今回改めての上場申請に至った経緯としては、中長期的な成長投資を行う必要があり、これらに必要な資金調達手段の確保が必要であったとのことです。
サービスプラットフォームASNETの継続的な機能強化、中古車小売業務支援システムの拡充、新たな情報技術及び新規事業の研究、新技術の導入などへの投資が加速されるようです。
オートサーバーの事業内容
オートサーバーは国内の中古車取扱事業者を対象に、以下7つのサービスを展開しています。
- オークション代行サービス
- ASNETを通じて提携先オートオークションに参加することを可能とするサービス
- ASワンプラサービス
- 業者間中古車売買仲介サービス
- 陸送手配サービス
- ASNET会員の落札車両・出品車両の輸送(陸送)の手配を当社が取り次ぐサービス
- 中古車販売支援サービス
- ASNET会員の中古車販売業務を支援するサービス
- カスタマーコミュニケーション支援サービス
- スマートフォンアプリ「みるクル」を用いて、ASNET会員の中古車販売業務及びカスタマーコミュニケーション業務を支援するサービス
- 中古パーツ通販サービス
- JARA社が運営する自動車リサイクル部品(リパーツ商品)の検索・通販サービスを、ASNETを通じて利用を可能とするサービス
- カー用品通販サービス
- カーナビやオイルなどのカー用品をASNET上で購入することができるサービス
ASNET全般の特徴として、会員の費用面においては、入会金や保証金などが不要であり、会員は無料でサービスを使用できることがあげられます。
中古車の売買における各種サービスの利用で利益を上げるビジネスモデルのようですね。
上記1,2のオークション代行サービス、ASワンプラサービスで2022年12月期における売上高割合93.4%を占めており、多くは中古車売買に関わる手数料収入がメインとのことです。
オートサーバーの業績推移
オートサーバーの直近5期の売上高と経常利益の推移は以下の通りです。
売上高・経常利益ともにほぼ横ばいで成長性は感じられません。
コロナ禍で中古車市場は2020年頃から活況にはなっていたと思いますが、オートサーバー自体の売上高は微増レベルだったようです。
一方で利益率は非常に高い水準であり、30%台後半での推移となっています。
手数料収入で在庫を持たない経営のため、高利益率を生んでいるのだと推測されます。
またIPOでの調達資金の使途としては、サービスの品質向上,新サービスを立ち上げるための設備投資に充当されるとのことです。
目新しいサービスはないのですが、近年アプリ化などのデジタル化対応を進めているので、どこかで会員数の増加などのブレイクスルーが期待されますね。
まとめ
今回はIPO銘柄オートサーバーについて調査してみました。
- 過去株式市場での上場及びMBOでの廃止経緯があり、今回は資金需要に伴った上場である。
- 中古車の売買市場で一定の評価があり、高利益率
- 成長のカギは会員数増加と流通車数増加
直近決算の売上高がほぼ横ばいであることと中古車市場自体の評価が下がり気味であることを加味すると、銘柄としての人気はあまりないように思います。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
コメント