こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年12月のIPO案件で、関連会社が12/21(木)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】マーソ株式会社、MRSO.,Inc(証券コード:5619)
初値2079円となり、公開価格2260円を大きく下回りました。
期間(90日or180日)か公開価格の1.5倍でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
ベンチャーキャピタル(VC)が大株主に含まれているので、売り出しには注意が必要です。
2023年12月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、マーソの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:2.67/5点
- 成長性:4点
- 直近コロナ禍特需での成長性は高い
- 独自事業性:3点
- 検診、ワクチン接種サービスの効率化の面では独自事業性あり
- 初値期待値:1点
- 公募価格-8.0%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
マーソの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2015年2月 | 人間ドック・健康診断(以下、健診)の予約プラットフォーム「MRSO.jp」の開発・運営を目的として、東京都港区にマーソ株式会社を設立。代表取締役社長に山口博道が就任 |
2015年3月 | 三和システム株式会社より、人間ドック・健診の予約プラットフォーム「MRSO.jp」、医療施設向け人間ドック・健診WEB予約システム「MRS」、医療施設のホームページ管理・運営に関する事業等を譲受 |
2015年4月 | ジャフコ グループ株式会社より出資受入 |
2015年4月 | 人間ドックの共通ギフト券「マーソギフト券」の発売を開始 |
2016年3月 | ISMS(ISO27001)及びQMS(ISO9001)の認証取得 |
2017年1月 | プライバシーマーク(Pマーク)認証取得 |
2017年3月 | 健康保険組合・企業向けWEB予約管理サービス「Health Plus」の提供を開始 |
2017年3月 | 代表取締役社長に西野恒五郎が就任 |
2017年4月 | Aflac Ventures LLCより出資受入 |
2017年5月 | クラウド型予約管理システム「MRSO-Plus」の納入を開始 |
2018年2月 | 森トラスト株式会社と両社保有資産を活用したサービス提供に関する資本業務提携を実施 |
2020年3月 | 住友生命保険相互会社と業務提携を実施 |
2021年1月 | 新型コロナウイルス等のワクチン接種に関するWEB予約サービス「MRSOワクチン」の提供を開始 |
2021年1月 | 株式会社日本旅行とMRSOワクチン等の行政DXサービスの提供に関する業務提携を実施 |
2021年6月 | 株式会社JTBとMRSOワクチン等の行政DXサービスの提供に関する業務提携を実施 |
2022年6月 | 明治安田生命保険相互会社に対する人間ドック・健診予約サービスの提供を開始 |
2022年6月 | ソニー生命保険株式会社に対する人間ドック・健診予約サービスの提供を開始 |
2022年7月 | 地方自治体での各種行政サービスの予約受付に活用可能な行政WEB予約サービス「MRSOご予約」の提供を開始 |
2023年3月 | 富国生命保険相互会社に対する人間ドック・健診予約サービスの提供を開始 |
2023年4月 | 朝日生命保険相互会社に対する人間ドック・健診予約サービスの提供を開始 |
2023年6月 | はなさく生命保険株式会社に対する人間ドック・健診予約サービスの提供を開始 |
2023年10月 | 株式会社イーウェルと両社保有資産を活用したサービス提供に関する業務提携を実施 |
2023年11月 | 株式会社SHIFTと健康経営に対するサービス提供に関する業務提携を実施 |
マーソは健康ヘルスケア関連会社として、2015年に創業されています。
コロナ禍を経て、ワクチンの予約サービス関連で旅行会社や生命保険会社へのサービス提供で事業拡大してきたようです。
アフターコロナの現状でどのように事業を拡大していくのかが気になるところですね。
マーソの事業内容
マーソは人間ドック・健診予約システム等のサービス提供で、顧客のマーケティング活動と業務効率化に貢献するヘルスケアDX実装カンパニーとして事業展開を行っており、ヘルステック事業の単一事業での構成になります。
ヘルステック事業は主に以下の3つのサービスで成り立っています。
- 「MRSO.jp」の運営を中心としたヘルスケアプラットフォーム
- 受診者と人間ドック・健診を提供する医療施設をつなぐ人間ドック・健診の予約を行う
- 各種クラウドサービスを提供するDXサービス
- 医療施設や地方自治体、法人に対して「予約」のデジタル化を行う
- 大規模接種等のサービスをSaaS提供
2020年に発生した新型コロナウイルスに対しては、ワクチン接種に関するWEB予約システムの提供体制を早期に構築し、行政サービスの効率化の一端を担っていたようです。
新型コロナウイルスワクチン接種は、主に市町村が主体となり、DXサービスの一つとして「MRSOワクチン」を提供しているようですね。
基本的にはDX技術を提供して、業務効率化を支援する仕組みを実現するサービスのようです。
健康寿命が延びており、健康意識が高まる中では、人間ドッグなどの健診サービスの需要は伸び続けるので、プラットフォーム利用の引き合いも増加し続けるのではないかと想定されます。
マーソの業績推移
マーソの直近5期の業績推移は以下の通りです。
2021年12月期以降、売上高・経常利益は急速に増加傾向にあります。
新型コロナ関連のサービス提供で企業からの引き合いが増加し、プラットフォーム利用料が増加したことに起因していると考えられます。
上記の売上高に占めるサービス割合を見ても、ワクチン関連の「MRSOワクチン売上」「大規模接種等サービス売上」が大半を占めています。
しかし、2023年12月期(第三四半期時点)には数字が落ちており、アフターコロナに移行し需要が減少していることが推測されます。
2021年12月期、2022年12月期には、利益率が40%近くの水準にありますが、2023年12月期以降は減少が見込まれます。
またIPOでの調達資金の使途としては、システム開発投資(新機能や新サービス開発)、広告宣伝投資(サービスの認知度向上)に充当する予定とのことです。
プラットフォームの優位性確保や継続利用を続けていくためにも、技術力の革新は必要ですね。
現状は行政ともつながっており、他社対比で有利な状況と考えられますので、コロナ禍特需が終わらないうちに次のサービス展開につなげたいところです。
まとめ
今回はIPO銘柄マーソについて調査してみました。
- 新会社となってから日は浅いが、新型コロナを機に事業拡大
- ターゲットは人間ドック・健診市場必要層の取り込み
- 成長のカギは他社に追随を許さない技術力開発
コロナ禍の上場であれば、より注目された銘柄と考えられますが、コロナ禍収束気味の現状では人気化は難しいかもしれません。
ヘルステック企業としての面を前面にアピールしていければ、今後の人気化も期待できそうです。
上場後の値動きに注目ですね。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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