こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年10月のIPO案件で、空調事業(デシカント除湿機やVOC濃縮装置)関連会社が、10/3(火)に東証スタンダード市場に上場します。
【企業名】西部技研(証券コード:6223)
西部技研の公開価格は2600円です。
初値は10/3に2687円を付け、公開価格を3.3%上回りました。
大株主のロックアップが180日で設定されているので、上場後しばらくは需給が締まっていそうです。
2023年10月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、西部技研の特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:3.33/5点
- 成長性:4点
- 直近売上伸び率高い
- 独自事業性:4点
- 空調事業での実績、参入障壁あり
- 初値期待値:2点
- 公募価格+3.3%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
西部技研の会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
1965年7月 | ㈱西部技術研究所(当社)を設立 |
1972年4月 | ㈱西部技研に商号変更。 |
1974年3月 | コルゲーションの製法及び連続成形機完成により全熱交換器を商品化。 |
1981年4月 | 吸湿性を有するアルミシートを使用した全熱交換器「HI-PANEX」の商品化。 |
1984年4月 | 活性シリカハニカム除湿ロータ「SSCR」の商品化。 |
1985年11月 | スウェーデン(スパンガ)のDST Sorptionsteknik ABと業務提携開始。 |
1986年9月 | 超低露点シリカゲル・ゼオライトハイブリッド除湿ロータ「SZCR」の商品化。 |
1988年1月 | 疎水性ゼオライトを用いた溶剤濃縮ロータ「UZCR」の商品化。 |
2001年7月 | アメリカ(メリーランド州)にSeibu Giken America, Inc.を設立 |
2002年2月 | マイクロガスタービン排熱駆動型新デシカント空調機「E-SAVE」の商品化 |
2002年2月 | 標準除湿機ドライセーブ「New-SGP」の商品化。 |
2007年1月 | 中国(江蘇省常熟市)に西部技研環保節能設備(常熟)有限公司を設立 |
2009年2月 | 中国(江蘇省常熟市)に迪思特空气処理設備(常熟)有限公司を設立 |
2010年2月 | 中国(江蘇省常熟市)に西部技研環保節能設備(常熟)有限公司自社工場を建設 |
2012年11月 | 特殊ガラス繊維を用いた除湿ロータ「D-MAX」の商品化 |
2013年7月 | ポーランド(グディニャ)にSeibu Giken DST Poland SP. ZO.O.を設立 |
2016年11月 | 高性能VOC濃縮ロータ「V-MAX」の商品化 |
2017年11月 | ケニア(ナイロビ)にSeibu Giken DST East Africaを設立 |
2018年12月 | 室内CO2除去装置「SMART-SAVE」の商品化 |
2019年9月 | 大韓民国(京畿道華城市)にSeibu Giken Korea Co., Ltd.を設立 |
始まりは日本の研究所初でその後、様々な空調関連の製品販売で事業拡大し、
日本のみならずアメリカやヨーロッパ地域、中国、韓国等で販路を広げてきたようです。
創立からは50年以上が経過しており、既に知名度等もある老舗企業であることが伺えます。
西部技研の事業内容
西部技研は、デシカント除湿機やVOC濃縮装置等の製造、販売、据付工事等のサービスが主要事業になります。
ハニカム積層体と呼ばれる、ダンボールの板紙のようなものを何層にも重ねて作る構造体が技術の土台となります。
断面が蜂の巣に似ていることから、一般的にハニカムと呼ばれており、ハニカム積層体は、空気抵抗が少なく、強度に優れ、表面積が広いという3つの特徴があります。
多くの素材をハニカム状に加工し、そのハニカムに様々な機能剤を添付して、特別な機能を持たせることで付加価値を出しているとのことです。
主な製品群は以下になります。
- デシカント除湿器
- VOC濃縮装置
- その他
- 省エネルギー装置、全熱交換器も製造販売し
デシカント除湿器
デシカント除湿器は湿度コントロールが必要な工程で使用されます。
食品、製薬工場の他、需要拡大中のリチウムイオン電池、二次電池や有機ELなどの幅広い業種の製造工程に採用されていることが特徴になります。
VOC濃縮装置
VOC濃縮装置は、排出ガスの無害化ができる装置になります。
ベンゼンやトルエン等の揮発性有機化合物(VOC)を選択的にVOC濃縮ロータに吸着させ、大気汚染の防止に役立ちます。
工場や成長著しい地域では排ガスの量は尋常ではありません。
環境問題は世界中で問題になっており、中国やヨーロッパなどの法規制が厳しい国や、大気汚染が深刻化する新興国において、法規制が今後制定・強化される可能性もあります。
世界各国から引き合いが増加することが予想されますね。
西部技研の業績推移
売上高・営業利益は直近2期で急速に増加傾向にあります。
2022年12月期は2020年12月期の約2.5倍の水準になります。
各国の引き合いが増加しているのは間違いなさそうです。
またIPOでの調達資金の使途としては、デシカント除湿機のロータの生産設備及び生産能力を増大させる投資への充当を予定されています。
更なる需要拡大に備えた設備投資という位置付けですね。
メーカーにおいて除湿、湿度管理は非常に需要なポイントになるので今後の伸びに期待できますね。
まとめ
今回はIPO銘柄西部技研について調査してみました。
- 創立から50年以上で知名度は十分
- ターゲットはメーカーの湿度管理工場。独自技術を持ち、引き合い十分。
- 成長のカギは需要拡大に生産能力が追いつくか否か
空調関連という地味な銘柄ですが、メーカーに欠かせない装置であることと、販売先が今後も伸びそうであることから、人気化するのではないかと感じています。
今後の需要拡大を読んで、スタンダード市場からの上場市場替えを狙った買いが集まる可能性もありますね。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
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