2024年3月のIPO案件で、小売業関連会社が3/22に東証グロース市場に上場します。
グロース市場似つかわしくない、大型企業になります。
【企業名】トライアルホールディングス、Trial Holdings Inc.(証券コード:141A)
初値:2215円、公開価格:1700円を515円(+30.3%)上回りました。
地合いの良さも相まってIPO人気も高まっています。
期間(90日or180日)か公開価格の1.5倍でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
2024年2月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、トライアルホールディングスの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:3.67/5点
- 成長性:4点
- 23期連続増収
- 独自事業性:4点
- DX技術活用の小売り、スーパーマーケットを展開
- 初値期待値:3点
- 公募価格+30.3%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
トライアルホールディングスの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
1974年4月 | 屋号「あさひ屋」として創業 |
1984年10月 | ㈱トライアルカンパニーに商号変更 |
1992年10月 | ディスカウントストア トライアル1号店となる南ヶ丘店(福岡県大野城市)を開店 |
1994年3月 | 柳川店(福岡県柳川市)を開店し、本格的に郊外型総合ディスカウントストアによる多店舗展開を開始 |
2003年12月 | 中華人民共和国でのソフトウエア開発業を目的として、煙台創迹軟件有限公司を設立 |
2004年1月 | 物流機能の内製化を目的として㈱下田屋(現:㈱MLS、現:連結子会社)を株式交換により完全子会社化 |
2008年2月 | 九州・中国地方の物流拠点となる白鳥物流センター(福岡県田川市)を開設し、プロセスセンターの稼動を開始 |
2008年9月 | 北海道地区に小売店舗を展開していた㈱カウボーイとの業務提携により、北海道地区にトライアルが初出店 |
2014年7月 | 日本国内への貿易事業を目的として上海翔迹企業管理有限公司(現:連結子会社)を設立 |
2014年10月 | 店舗開発業務の効率化を図るため、㈱トライアル開発(現:連結子会社)を設立 |
2015年6月 | 生鮮事業を行うことを目的として、㈱トライアルフレッシュシステム設立 本部事務を行うこと目的として、㈱トライアル・シェアードサービス設立 |
2015年7月 | システム部門の機動性及び専門性を高めることを目的として㈱ティー・アール・イーを設立 |
2016年9月 | ㈱トライアルフィナンシャルサービス(現:㈱SU-PAY、現:連結子会社)を設立 |
2016年10月 | 「食」の強化を目的として㈱明治屋(現:連結子会社)を子会社化 |
2018年2月 | スマートショッピングカート(現:Skip Cart)やAIカメラ等のIoTデバイスを導入し、日本初のスマートストアである「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」(福岡市東区)を開店 |
2020年6月 | リゾート事業を取り込むにあたり、リゾート事業の不動産を保有する㈱エヌ・ジー・ティー不動産管理(現:㈱サンリアルエステート、現:連結子会社)を子会社化 |
2020年10月 | プライベートブランド(PB)商品である『阿蘇くじゅうの天然水』を生産する飲料由布工場(大分県由布市)を稼働開始 |
2020年12月 | リゾート事業の統括を目的として、㈱トライアルリアルエステート(現:連結子会社)を設立 し、㈱neri resort(現:連結子会社)を子会社化 |
2021年7月 | 日本最大のリテールDX(小売のIT/AI化)の最先端基地を目指し、産官学のまちづくりとして「リモートワークタウン ムスブ宮若」プロジェクトが本格始動 |
2022年4月 | 最先端のIT技術を導入した次世代型スマートストアとしてTRIAL GO脇田店(福岡県宮若市)を開店 |
2023年7月 | 店舗の資源物の回収・運搬を目的として㈱トライアルチャレンジド(現:連結子会社)を設立 |
2023年10月 | ㈱Retail AI(現:連結子会社)の主力製品であるスマートショッピングカートをグループ外へ本格販売・導入していくにあたって、製品名称を「Skip Cart」へ刷新 |
設立は1974年4月に家電製品販売業「あさひ屋」として福岡市博多区ではじまり、1984年10月に「㈱トライアルカンパニー」に商号変更して以降は、家電量販店の店舗拡大を経て、ディスカウント業態店舗の多店舗化で今に至ります。
リゾート事業を始め、物流事業も手掛けており、ディスカウントストアの経営にシナジーをもたらしているようです。
コンビニ等ではすでに始まっている内容ですが、スマートショッピングカートやスマートストアの運営を始めており、次世代のスーパーマーケットの先駆者として期待がかかります。
トライアルホールディングスの事業内容
世界の誰もが「豊かさ」を享受できる社会をつくる。をパーパスとして掲げ、
『あなたの「生活必需店」。』をコンセプトとし、『TRIAL』ブランドのディスカウントストアを全国に展開しています。
トライアルホールディングスの事業は主に以下の2つで成り立っています。
- 流通小売事業
- リテールAI事業
流通小売事業
メガセンター、スーパーセンター(SuC)、smart及び小型店の4種のフォーマットで、主力のスーパーセンターを中心に、商圏人口や立地、店舗面積等を考慮して、国内の様々なエリアに出店しています。
全国311店舗を発祥地点である九州地方を中心に展開しています。
プライベートブランド(PB)商品を展開していることや、流通小売業(リテール)のデジタルトランスフォーメーションを実現する『リテールDX』展開で低コスト化を実現していることが特徴になります。
リテールDXには精算手続きを省力化するスマートショッピングカートが代表格として挙げられます。
23期連続増収を記録しており、時代の変化にも適応し成長してきたことが伺えます。
リテールAI事業
小売事業者や食品・消費財メーカーに対して、リアル店舗のオペレーション改
善、広告・販売促進活動の効率化等に資するプロダクトやソリューションを提供しています。
主力製品であるSkip Cartは、セルフスキャンによるレジ待ちの解消及びレジ要員の削減やクーポン・レコメンドを活用した機能など、新体験を客に提供できる特徴があります。
日々の買い物からセルフスキャンができる魅力は大きいですね。
トライアルホールディングスの業績推移
業績推移は以下の通りです。
売上高・経常利益は増加傾向にあります。
利益率は2%程度ですが、ディスカウントストアなので及第点と想定されます。
売上規模は6千億規模で、人口も減少傾向にある中で伸び続けているのは魅力的ですね。
経営戦略としては、テクノロジーを活用しながら『ムダ・ムラ・ムリ』を解消していくことで、価値を提供していくとのことです。
スーパー・小売り業界の中では先を走っていると思いますので、今後導入先が増えた時にプラットフォームとなり得る存在ですね。
またIPOでの調達資金の使途としては、以下が挙げられています。
- 新規出店並びに既存店の改装及び修繕のための設備投資資金
- 物流センターへの設備投資資金
- 製造工場及び飲料水工場の設備投資資金
- 流通小売事業に係るIT投資資金
- リテールAI事業に係るソフトウエア開発投資資金
- 不動産開発投資資金
現事業にまんべんなく投資されるのかはわからないですが、リテールAI事業が今後の将来性にも関わってくる部分だと思いますので、リテールAI事業の進捗には注目していきたいですね。
まとめ
今回はIPO銘柄トライアルホールディングスについて調査してみました。
- 様々な事業を取り込んで、小売業界で頭角
- 独自のDX技術でコスト低減
- 成長のカギはリテールAI事業の伸び
小売業界での存在感やDXでの成功などもあるので、企業規模は大きいですが、継続した成長が見込まれると考えられます。
規模の割にグロース市場での上場となりますので、早期のスタンダード市場やプライム市場への上場市場変更も予想されます。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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