【SAR衛星データ】QPS研究所の事業内容、業績推移や将来性は?

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【SAR衛星データ】5595IPO QPS研究所の事業内容、業績推移や将来性は? IPO分析

こんにちは。きんかぶるーむです。

2023年12月のIPO案件で、衛星・データ関連会社が12/6(水)に東証グロース市場に上場します。

【企業名】QPS研究所(証券コード:5595)

12/5に初値は860円になり、公開価格の390円を470円上回りました。

期間(90日or180日)か公開価格の1.5倍でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
2023年に上場したispaceと同様に宇宙関連の初値期待値は大きいです。

2023年12月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。

☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。

早速どのような企業なのか調査し、QPS研究所の特徴を確認していきます。

この記事でわかること
  • QPS研究所の会社沿革と事業内容
  • QPS研究所の業績とIPO資金用途
  • QPS研究所の将来性
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総合評価

総合評価:4.33/5点

  • 成長性:3点
    • 小型SAR、衛星の需要は高い
  • 独自事業性:5点
    • 衛星は参入障壁高く、独自性高い
  • 初値期待値:5点
    • 公募価格+120.5%

*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。

QPS研究所の会社概要

人工衛星写真 山の上

会社沿革

年月概要
2005年6月福岡県福岡市に有限会社QPS研究所(資本金3,000千円)を設立
2014年11月参画したプロジェクトにて超小型衛星QSAT-EOS(愛称「つくし」)をロシアのオレンブルク州ヤースヌイ宇宙基地から打ち上げ成功
2019年6月「衛星リモートセンシング衛星装置使用許可」を取得
2019年12月小型SAR衛星1号機「イザナギ」をインドのサティッシュ・ダワン宇宙センターからPSLV(Polar Satellite Launch Vehicle)で打ち上げ成功
2020年2月国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(東京都調布市、以下、「JAXA」という。)と、「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ」(J-SPARC)のもと、「小型SAR衛星コンステレーションによる準リアルタイムデータ提供サービスの事業コンセプト共創」に関する覚書を締結し、共同実証を開始
2021年1月小型SAR衛星2号機「イザナミ」をアメリカのケープカナヴェラル空軍基地からスペースX社のファルコン9で打ち上げ成功
2021年2月「イザナミ」による地球観測データ取得並びに初画像化に成功
2021年5月「イザナミ」による高精細モード(分解能0.7m)の地球観測データ取得並びに画像化に成功
2021年6月九州電力株式会社(福岡県福岡市中央区)及びJAXAと、J-SPARCのもと、小型SAR衛星コンステレーションによる準リアルタイムデータ提供サービスの実現並びに同データを活用したインフラ管理業務の高度化・効率化や新たなサービス創出に向けた覚書を締結し、共同実証を開始
2021年11月スカパーJSAT株式会社(東京都港区)及び日本工営株式会社(東京都千代田区)と業務提携契約を締結
2021年12月地球観測画像の販売開始
2022年3月防衛省「画像データの取得(その12-2)」に採択
2022年4月内閣府「令和4年度 小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」に採択
2022年8月株式会社ウェザーニューズ(千葉県千葉市)、九電ビジネスソリューションズ株式会社(福岡県福岡市中央区、現Qsol株式会社)、及び九州電力株式会社と、高精度な海氷情報を活用した船舶の運航を支援するサービス創出に向けた覚書を締結し、共同実証を開始
2022年10月小型SAR衛星3号機及び4号機を鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所からイプシロンロケット6号機で打ち上げ失敗
2022年12月JAXAと、「超小型LバンドSAR衛星の検討及び試作試験」に関する研究開発契約を締結
2022年12月JAXAの「小型技術刷新衛星研究開発プログラムの新たな宇宙利用サービスの実現に向けた2024年度軌道上実証に係る共同研究提案要請」において当社提案が採択
2022年12月防衛省「HGVや地上の観測に資する小型衛星システムの機能等の向上に関する調査研究」に採択
2023年3月内閣府「令和5年度 小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」に採択
2023年6月小型SAR衛星6号機「アマテル-Ⅲ」をアメリカのヴァンデンバーグ宇宙軍基地からスペースX社のファルコン9で打ち上げ成功
2023年7月「アマテル-Ⅲ」による高精細モード(分解能 0.46m)の地球観測データ取得並びに画像化に成功
2023年10月経済産業省の中小企業イノベーション創出推進事業に当社の「高分解能・高画質且つ広域観測を実現する小型SAR衛星システムの実証」が採択
*有価証券報告書より抜粋して作成

2005年に創業され、その後は小型衛星の打ち上げ成功から、衛星データの販売、政府やJAXAとの協業を経て事業拡大してきたようです。

小型SAR衛星データのSARは以下を意味します。

きんかぶくん
きんかぶくん

SARとは、Synthetic Aperture Radarの略を指します。

「合成開口レーダー」とも言い、衛星に搭載して宇宙空間を移動することで仮想的に大きな開口面として働くレーダーになります。

政府や内閣の支援もありますので、宇宙分野での期待値高さは本物ですね。

QPS研究所の事業内容

災害撮影 小型衛星

QPS研究所は「宇宙の可能性を広げ、人類の発展に貢献する」の経営理念のもと、

小型SAR衛星の開発及び製造を行い、小型SAR衛星により取得した地球観測データ及び画像の提供が主な事業となります。

現在は人工衛星による地球観測データの取得において、光学衛星による測定が主流ですが、地球から反射する太陽光を光学カメラやセンサーによって観測するため、

衛星と観測地点の間に雲のような遮蔽物が入る悪天候時や、観測地点に太陽光が届かない夜間には、観測データの取得が著しく制限されるという課題があります。

データを多量に取得する、多数個の人工衛星を打ち上げるには、製造コスト及び打上げコストを大幅に低減させる必要があります。


QPS研究所が提供する100kg級の小型SAR衛星は、従来の数トン単位の大型SAR衛星とは異なり小型かつ軽量であるため、製造コストや打上げコストを低く抑えることができ、かつ短期間での開発が可能になることが特徴になります。

従来のSAR衛星とQPS研究所の小型SAR衛星の比較 重量、分解能
従来のSAR衛星とQPS研究所の小型SAR衛星の比較 有価証券報告書より抜粋

災害時の被災地の防災・減災の観点から、災害大国である日本において非常に重要なプロジェクトになりますね。また、昨今の他国との安全保障の観点からも小型SARの需要は高まっています

QPS研究所の商品やサービス群としては以下が挙げられます。

  • 衛星観測データ関係
    • 関係スケジュール検索
    • 観測オプション選択
    • タスキング実行/新規観測オーダー
    • 新規観測データダウンロード
    • アーカイブデータ検索
    • API連携

【2024年3月1日のIR】

防衛省から、「宇宙領域の活用に必要な共通キー技術の先行実証に向けた衛星の試作」を受注しています。

内容に関しては営業秘密保護の観点から非開示となっていますが、本格的に国策銘柄としての案件が転がり込んできており、今後に期待できますね。

一方、ispaceのように資金調達のための増資などの可能性もあるため、注意が必要です。

QPS研究所の業績推移

2019年5月期から2023年5月期の業績推移は以下になります。

QPS研究所 2019年5月期から2023年5月期の業績推移 売上高、経常利益

2023年5月期まで赤字続きですが、売上高については2022年以降で上昇しています。

地球観測データビジネスは安全保障分野の需要が高く、2022年5月期より防衛省向けのサービスを開始したことで、売上高の増加につながったようですね。

小型SAR衛星2号機により撮像した画像の販売を開始したことにより官公庁においてニーズがあり、2023年6月に打上げた6号機以降の打上により撮像キャパシティが順次増加し、提供枚数も増加するため、更なる売り上げ増加が予想されます。

現在QPS研究所は年間4機の小型SAR衛星を製造できる能力があり、工場の新設によって2024年には年間10機に拡大させる方針であり、開発体制の強化とコンステレーションの構築を加速させているようです。

またIPOでの調達資金の使途としては、SARの製造に充てられるとのことです。

数が必要な衛星の生産増強から売上高増加につなげる狙いがあるようですね。

【JAXA H3ロケット打ち上げ進捗】

JAXAが従来からのロケット「H2」に代わる新型主力ロケット「H3」の打ち上げを計画しており、

2023年3月の初号機打ち上げは失敗(中断)に終わってしまいましたが、2024年2月17日に2回目のロケット打ち上げが日本の種子島宇宙センターにて行われ、見事に成功を収めました!

コスト面でのメリットが非常に大きいので、宇宙産業への期待も高まりますね。

QPS研究所の業績にも影響してきそうです。

まとめ

小型生成撮影 地球地図

今回はIPO銘柄QPS研究所について調査してみました。

  • 赤字続きだが、小型SAR衛星事業で需要は高い
  • 官公庁や政府からの引き合い強く、国策としての一面あり
  • 成長のカギは小型SAR生産能力増強

衛生、宇宙関係は需要高く、今後も伸びていく注目分野になるので、目新しさの面から人気化すると感じています。

上場後の値動きに注目です。

宇宙・衛星関連でのIPO銘柄は以下が挙げられますね。

関連の動きを含めて注目です。

☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。

☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。

それではまた。

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