こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年4月のIPO案件で、位置情報補正情報配信サービス関連会社が4/18(火)に東証グロース市場に上場しました。
【企業名】ジェノバ(JENOBA CO.,LTD.)(証券コード:5570)
初値:2106円
公募価格:470円
初値は大きく上昇しました。
期間(90日or180日)か公開価格の1.5倍でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
2023年4月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、ジェノバの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:4.33/5点
- 成長性:3点
- 着実に増加しているが伸び率は低い
- 独自事業性:5点
- 位置情報サービス提供は専門性高く、競合少ない
- 初値期待値:5点
- 公募価格+348.1%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
ジェノバの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2002年1月 | 株式会社ジェノバ設立 |
2002年2月 | 本店所在地を大阪府豊中市から東京都千代田区に移転。 関東・関西地区に設置した当社の独自基準点網でのネットワーク型GPS補正情報のモニターユーザー向けの配信を開始。 |
2002年5月 | 国土地理院が電子基準点からの情報を民間開放(約200点)。 これに伴い、社団法人日本測量協会)から電子基準点データの提供を受け、ネットワーク型GPS補正情報配信サービス開始。 |
2003年6月 | 国土地理院が電子基準点情報を全国開放(約1,200点)。 これに伴い、ネットワーク型GPS補正情報の全国配信サービスを開始。 |
2013年5月 | 国土地理院が電子基準点のマルチGNSS化を全国約1,240点で対応。これに伴い、マルチGNSS配信サービスの全国配信を開始。 |
2014年6月 | 電子基準点RTKサービス配信を開始。 |
2015年10月 | 現場観測支援サイト「J-View®」の提供を開始。 |
2016年5月 | 電子基準点約1,300点を利用した配信を開始。 |
2017年4月 | 当社の製品(CPTrans-SL2/A:携帯電話に替わる当社専用通信装置)にて、サービス利用料金と通信料金をワンストップ化したサービスを開始。 |
2019年5月 | Galileoのデータを含んだマルチGNSS配信サービスを開始 |
2020年4月 | KDDI株式会社と業務提携締結 |
2021年6月 | 株式会社日立産機システムと資本業務提携締結 |
2002年の設立以降、位置情報サービスの提供で事業拡大しています。
GNSS測位により発生したメートル級の誤差をセンチメートル級までに補正する情報を配信していることが特徴のようです。
GNSS即位とは、Global Navigation Satellite Systemの略語であり、各国が運用する衛星が発信する電波を利用して、受信機の緯度、経度、高度等を測定する方法を示すようです。
各国が運用する衛星は以下のような種類があるようです。
- GPS(米軍が運用、Global Positioning System)
- ZSS(日本の準天頂衛星、Quasi(準)-Zenith(天頂)Satellites System)
- GLONASS(ロシア宇宙軍が運用、Global Navigation Satellite System)
- Galileo(EUが運営)
GPSしか聞いたことがなかったけど、いろんな種類があるんですね。
ジェノバの事業内容
高品質な位置情報の提供により安心・安全な社会づくりに貢献するをMissionに掲げ、位置情報補正サービスを提供しています。
位置情報等を求めるにあたっては、衛星からの単独測位情報だけではメートル級の誤差が生じてしまうことが課題になっているようで、より正確な位置等を求めるためには、その誤差を補正する作業が必要になります。
ジェノバが提供する補正情報等を利用することで、誤差を補正しセンチメートル級の高精度な位置情報等を求めることが可能になることが特徴になります。
情報配信のサービスとしては以下の2種類があります。
- 現在置を正確に把握するためにリアルタイムに補正データを提供するリアルタイムデータ配信
- ドローン等で取得した観測記録を元に観測時の移動状況を後日分析の上、補正データを提供する後処理データ配信
位置情報の活用事例としては、測量、施工管理、IT農業に使用されるようです。
従来まで人で行っていた測量作業を機械設置で置き換えることによる効率化や、気候条件に左右されずに測量位置出し可能になったり、ドローンが必要になる場面での測量、農業関係の機械自動操縦や農薬散布などでジェノバ提供のサービスの強みのようです。
災害対策関連やインフラ、ICT、アグリテック関連ともいえそうです。
将来的には見守りサービスなどの高齢化社会対応サービスも出てきそうですね。
ジェノバの業績推移
ジェノバの上場前の期、及び2023年9月期についての業績推移は以下になります。
2018年9月期から2022年9月期の業績推移
上場前の5期にあたる業績推移は以下の通りです。
売上高、経常利益ともに右肩上がりで伸びていますが、売上高の伸び率としては10%前後になっており、急激な増加というわけではないですね。
特筆すべき点は経常利益率が50%程度の水準を維持していることで、サービスの効率性の高さが伺えます。
データ販売の売上高に対して、解析システムやメンテナンス料金は定額であるため、費用が膨らみにくい構造になっており、契約者数が増えるごとに売り上げが積みあがる仕組みになっているようですね。
ジェノバの2023年9月期決算
ジェノバの2023年9月期の決算業績推移は以下になります。
2023年9月期は前期比対比で売上高は3.8%増加、営業利益は9.2%の増加となっています。
着実に増加はしていますが、増加率という観点では少し物足りないですね。
契約数も着実に伸びており、契約数に伴って売上高が増加していると思いますので、追加投資等がなければ同様の利益率水準で着実な成長が見込めそうです。
決算発表資料からは、今後のコストとして人員増加やサーバー増強代、HPリニューアル代金などが挙げられるとのことで、規模によりますが今後の成長のためには必要経費になりますね。
また配当についても2023年11月24日に発表されており、1株当たり4円が配当金として支給されます。
上場して間もないグロース企業では珍しいですが、株主還元の姿勢も見えており、好感が持てますね。
IPOでの調達資金の使途
IPOでの調達資金の使途としては、設備投資及び人材確保のための人件費や採用費に充当する予定とのことです。
2023年9月期の発表時点で従業員は18名とまだまだ少ないので、今後の事業拡大にはまず人員が必要ですね。
まとめ
今回はIPO銘柄ジェノバについて調査してみました。
- 位置情報補正サービスで展開
- 位置情報サービスは活用事例多く、多様な事業に関連性あり
- 利益率は50%程度と高水準にあり、成長のカギは人員増加
位置情報サービスという希少性もあり、テーマ性の多さから人気化するのではないかと感じています。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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