こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年10月のIPO案件で、薬局・医療・介護向けソリューション関連会社が10/4(水)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】くすりの窓口(証券コード:5592)
くすりの窓口の公開価格は1700円です。
初値は10/4に1580円になりました。公開価格の-7.1%になります。
大株主のロックアップが180日または公開価格1.5倍で設定されているので、上場後しばらくは需給が締まっていそうです。
2023年10月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、くすりの窓口の特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:3.33/5点
- 成長性:4点
- 成長性高い
- 独自事業性:5点
- くすり、医療関係の予約サービスで独自性高い。プラットフォームになり得る。
- 初値期待値:1点
- 公募価格-7.1%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
くすりの窓口の会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2004年9月 | 株式会社光通信が岩手県盛岡市にてインターネット回線提供を目的とした株式会社サイバーテレコムを設立 |
2007年1月 | 株式会社L-NETへ商号変更 |
2013年10月 | 株式会社光通信の子会社であり、多様な業種業態への予約サービスを展開する株式会社EPARKにて薬局業種向けの調剤予約、処方箋送信サービス「処方便」(「EPARKくすりの窓口」サービスの前身)の販売を開始 |
2015年6月 | 株式会社EPARKから薬局業種向け事業を譲受するため、株式会社光通信が子会社として保有していた休眠会社(株式会社L-NET)を株式会社株式会社EPARKヘルスケアへ商号変更、東京都豊島区へ本店移転 |
2015年8月 | 株式会社EPARKから当社へ薬局業種向け事業を譲渡することを前提に、先行して「処方便」をはじめ、薬局業種向けEPARKサービスをOEMにて提供開始 |
2015年12月 | 株式会社EPARKとオフィシャルパートナーシップ契約を締結し、薬局業種向けEPARKサービスを当社が担うことを明文化 |
2016年8月 | フリービット株式会社が当社を子会社化 |
2017年4月 | 医薬品の不動在庫売買支援サービスの展開を目的に株式会社ピークウェルを完全子会社化 |
2018年3月 | 不動在庫売買支援サービスにおける薬局顧客の開拓を目的に株式会社ファーマリーを設立 |
2018年5月 | 株式会社神戸デジタル・ラボと介護事業向け業務支援を目的に合弁会社株式会社介護サプリを設立 |
2018年11月 | 阪神調剤ホールディング株式会社(現I&H株式会社)と医薬品共同購入サービスの展開を目的にグローバル・エイチ株式会社を合弁設立 |
2020年11月 | 株式会社くすりの窓口へ商号変更 |
2020年12月 | 医療機関向け電子カルテシステム、レセコンシステムの開発を行う株式会社メディカルJSPを子会社化 |
2021年4月 | 医事会計、オーダリング(検査、処方等の指示を管理する医療情報システム)、電子カルテシステムの開発を行う株式会社エーシーエスを子会社化 |
2022年8月 | 医療関連ソリューションの提供を目的に株式会社メディカルコーディネートを設立 |
2004年に創立され、EPARKでの各種予約サービスを通じて事業拡大し、今に至るようです。
個人的にはEPARKのサービスは飲食店の予約で使用する機会が多かったので、薬関係のサービスは目立たない印象でした。
直近は電子カルテシステムなど医療機関向けのサービスを拡充させているようですね。
くすりの窓口の事業内容
様々な業種の店舗のインターネット予約サービスを展開し、「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」提供を事業としています。
くすりの窓口では主に以下の3つの事業で成り立っています。
- メディア事業
- みんなのお薬箱事業
- 基幹システム事業
収益源としては、各種サービス導入時に初期費用収入として得られる「ショット売上」、サービスの月額利用料やサービスの利用料に応じて継続的に得られる「ストック売上」に区分されており、初期導入さえ進めれば解約が起きない限りは売り上げが伸び続けていくビジネスモデルのようです。
メディア事業
「医療と患者をつなぐプラットフォーム」として、患者の利便性、薬局の効率性・生産性などの向上を目的としたサービスを展開しています。
調剤薬局部門の予約サービス「処方便」として開始した事業が元になっているようです。
EPARKくすりの窓口
調剤薬局・ドラッグストアなどの薬局の検索サイト/アプリ「EPARKくすりの窓口」を運営になります。
薬局検索や患者が医療機関から受け取った処方箋をサイト/アプリ経由で指定した薬局に送ることで、処方薬受取りの予約ができる機能があるようです。
正直なところ、体調が悪いときはくすりの窓口の存在を忘れている場合が多いと思いますので、Google検索で見つかったところや近場、病院から聞いた薬局にする人が多数派でなかなか使う機会がないかもしれませんね。
EPARKお薬手帳
電子お薬手帳アプリ「EPARKお薬手帳」を運営しているようです。
患者自身が処方箋を読み取って処方された医薬品の情報を登録できる他、管理機能(飲み忘れ防止のためのアラーム発信機能、血圧値や体温の登録)が利用できます。
こちらもそもそもですが、薬手帳に自分で薬を登録する必要があるため、なかなか使う機会が無いのではと思います。
入院中の患者さんなどには使い勝手が良いかもしれませんね。
みんなのお薬箱事業
こちらは以下の3つのサービスから成り立っています。
- みんなの共同仕入れサービス
- 薬局や医療機関に代わって医薬品卸売事業者に対する医薬品の仕入価格交渉を代行する「みんなの共同仕入れサービス」を展開
- eオーダーシステム
- 薬局や医療機関における医薬品の在庫管理システム及び自動発注システムの機能
- みんなのお薬箱
- 医薬品売買ニーズマッチングサイト/アプリ。薬局において処方されずに不動在庫となった医薬品を売りたい薬局と、不足している医薬品を買いたい薬局のニーズをマッチングさせ、売買を仲介。
みんなのお薬箱サービスはSDGsの観点もあり、薬のロスをなくすことにもつながるため今後非常に魅力的なサービスになると考えられます。
基幹システム事業
「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」を実現するためのラインナップの充実を目指し、医療機関、薬局、介護施設に必要な事務処理システムや情報システム等を販売する事業になっています。
主な事業収益は、ショット売上としての初期導入費用収入とストック売上としての保守料収入が挙げられます。
くすりの窓口の業績推移
直近5期の業績推移は以下の通りです。
売上高・経常利益はともに増加傾向にあります。
利益率としても12%程度あり、安定している印象です。
売上高の伸びとしては、2023年度は売上伸び率が鈍化していますね。
事業別の売上高は以下の通りで、メディア事業が伸び盛り、みんなのお薬箱事業が頭打ちとなっているようですね。
決算期 | 2023年3月期 | |
販売高(千円) | 前年比(%) | |
メディア事業 | 2661616 | 131.3 |
みんなのお薬箱事業 | 3009333 | 100.7 |
基幹システム事業 | 1749842 | 118.8 |
またIPOでの調達資金の使途としては、新たなサービス提供や利便性向上のためのシステム開発費用、優秀な人材の確保を目的とした採用費等に充当するようです。
まとめ
今回はIPO銘柄くすりの窓口について調査してみました。
- EPARKアプリを介して様々な予約サービス、検索サービスを充実させて成長
- 一度導入が進めば収益を上げ続けられるサブスクリプションモデル
- 成長のカギは基幹システムの拡充
予約サービスの中でも、ぐるなびや食べログ、ホットペッパーグルメなど飲食店向けのものは多数ありますが、くすり向けのものはなかったので独自性という観点では、目新しさがあるため人気化するのではないかと感じています。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
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