こんにちは、きんかぶるーむです。
2024年8月は多くの企業の四半期決算が発表され、モンスターラボHDも8月14日に第二四半期決算発表を行いました。
モンスターラボHDは前年に引き続き、2Q時点で大幅な赤字を発表しています。
前年の構造改革ではまだ改善が十分ではなかったようです。
昨年度はラマダーン要因での業績悪化が一つの理由とされ話題を呼びましたね。
*IPO上場時の業績、2023年12月期の事業内容分析ページは以下になります。
さっそくモンスターラボHDの業績内容や赤字理由、今後の対応をみていきましょう。
モンスターラボHDの2024年12月期 決算概要(2Qまで)
以下3点が決算書から読み取れる内容になります。
売上減少分の中にストック売上分の減少がどれだけ含まれているかが気になるところですね。
大幅な赤字転落
- 2024年12月期の第2四半期決算では、累計ベースでの最終損益が58.9億円の赤字となり、前年同期の700万円の黒字から大幅に悪化。
- 4-6月期の連結最終損益は55.5億円の赤字で、前年同期の1.9億円の赤字からさらに赤字幅が拡大。
売上と利益率の急激な悪化
- 2024年12月期第2四半期の売上高は57億2100万円で、前年同期比で-15.4%と大幅な減少。
- 売上営業損益率は前年同期の-26.3%から-239.9%に急悪化しており、収益性の低下が顕著。
債務超過
- 2024年6月末時点で25.9億円の債務超過に陥っており、財務状況が非常に厳しい。
モンスターラボHDの上場後変遷
年月 | タイミング | 概要 |
2023年3月 | 上場 | 東証グロース市場に新規上場 |
2023年8月 | 2Q | 業績予想下方修正、赤字転落予想 |
2023年11月 | 3Q | 構造改革費用を計上 |
2024年2月 | 2023年12月期本決算 | 2023年12月期決算:前期比減収、赤字拡大 |
2024年5月 | 1Q | 人員削減、子会社解散、戦略的提携検討長期化により断念 |
2024年6月 | CFO(最高財務責任者)の交代 | |
2024年8月 | 2Q | 人員削減規模拡大、減損計上、債務超過、大幅赤字 |
上場当時から人員数としては1500人を超える規模でしたので、売上の割に固定費が大きくなっている状態でした。
2023年から人員削減を進めて費用削減を実施していましたが、売上も減少してしまい、2024年にも業績悪化を持ち越してしまっています。
プロジェクト進捗が芳しくなく、新規案件が停滞してしまったことで、余剰人員がでてしまった格好ですね。
進捗が芳しくない理由が、モンスターラボHDの技術力原因ではなく、関わるコストや制度上の問題であれば良いのですが。
2024年3Q以降の見通しと債務超過の対策について
3Q以降の見通し
人員削減による退職金や子会社解散や規模縮小でののれん費用計上で、一時的に債務超過していますが、メインバンクからの資金調達でひとまず運転資金の確保は実施しているようです。
今後のグローバル経営としては、小規模拠点の閉鎖で選択と集中を行い、効率化を図るとのこと。
グローバルでの展開が他のDX企業との差別化ポイントだったので、選択と集中は少し期待外れですが、今の経営状況だと上場ゴールといわれても仕方ないと思いますので、必要な打ち手になりますね。
また、現状の売上規模に対しての黒字化をまずは目指すとのことで、4Q以降は全地域で構造改革費用を除いて黒字化の見込みとなっているようです。
売上高の減少が続けば、今後も人員削減は続く可能性が高そうな点が気がかりです。
債務超過対策
以下の3点が挙げられています。
- APAC地域への経営集中による収益確保
- 構造改革の継続による費用削減
- 積極的な資金調達による債務超過解消(エクイティファイナンス(増資)などの検討)
折角上場しているので、増資はまず検討される点かと思いますが、赤字を垂れ流しているバイオ企業のようには増資連発してほしくないところですね。
早期の解消スケジュールが必要な状況です。
まとめ
今回はモンスターラボHDの2024年12月期決算を受けて、決算内容を確認してみました。
- 2Q時点で大幅赤字。退職費用とのれん費用により債務超過。
- 債務超過に向けて、APAC地域での経営集中や増資が検討されている状況。
2023年3月上場後からいいところをみせれていないモンスターラボHDですが、上場ゴールといわれないように今後巻き返してほしいですね。
pwcコンサルティングやサウジアラビア系のDX案件獲得発表もありましたので、進捗にも期待がかかります。
それでは、また。
コメント