こんにちは。きんかぶるーむです。
2025年4月のIPO案件で、電力及び環境価値取引プラットフォーム関連会社が4/22(火)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】デジタルグリッド(証券コード:350A)
初値は5310円となり、公開価格の4520円を790円上回りました。
期間(180日)でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
大株主に東芝や三菱商事が入っており、駆け引きは多くありそうです。
2025年は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、デジタルグリッドの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:4.33/5点
- 成長性:4点
- 売上高、経常利益ともに2倍超の成長
- 独自事業性:5点
- 電力プラットフォーム提供で独自性高い
- 初値期待値:4点
- 公募価格+17.5%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
デジタルグリッドの会社概要
会社沿革
会社沿革
- 2011年6月:東京大学総括寄付講座「電力ネットワークイノベーション(デジタルグリッド)」設立
- 2017年10月:デジタルグリッドプラットフォーム株式会社(旧社名)創業
- 2017年12月:デジタルグリッド株式会社に社名変更
- 2018年3月:環境省実証事業でP2P電力取引実証事業を実施
- 2019年11月:資源エネルギー庁より電力取引運営に必要な許認可を取得
- 2020年2月:需要家主体で電力取引ができる『DGP』を商用ローンチ
- 2020年6月:『DGP』の特許取得
- 2020年12月:『DGP』を通じたオフサイトPPAサービス提供開始
- 2021年4月:自己託送サービス提供開始
- 2021年11月:非化石証書代理調達サービス『エコのはし』リリース
- 2021年12月:第三者割当増資で累計調達額42億円突破
- 2022年7月:アグリゲーターライセンス取得
- 2022年8月:『GPA』の特許取得
- 2022年9月:FIP制度を利用したバーチャルPPAサービス『GPA』リリース
- 2023年4月:脱炭素教育プラットフォーム『GX navi』β版リリース
- 2023年7月:バーチャルPPA特化型マッチングプラットフォーム『RE bridge』リリース
- 2023年8月:『DGP』導入拠点数2,000拠点突破
*有価証券報告書より抜粋して作成
東京大学発の企業で、電力取引関連での実績を積み上げながら上場まで至っています。
ここ8年程度での脱炭素の風潮やAIによる電力需要急増の影響も大きく受けたものと考えられます。
デジタルグリッドの事業内容
主に以下の7つの事業で成り立っています。
- 電力及び環境価値取引プラットフォーム「デジタルグリッドプラットフォーム(DGP)」の運営
- 分散型電源のアグリゲーションサービス
- 脱炭素関連学習コンテンツの提供
- オフサイトPPAサービス、自己託送サービス、非化石証書代理調達サービス
- バーチャルPPA特化型マッチングプラットフォームの運営
- 法人向け高圧・特別高圧電力の販売
- AIを活用した電力需給調整や自動化
特徴
- 発電家と需要家が直接売買できる日本初の民間電力取引市場
- 需要家主導で電源構成を選択可能
- AIによる需給予測と調整
- 再生可能エネルギーの普及を推進
電力が再エネ志向になってきていることも事業内容に対しては追い風となっています。
AIを活用したサービス提供も時流に乗っていますね。
デジタルグリッドの事業展望
脱炭素関連銘柄として、国策銘柄としても捉えられそうです。
- 電力の「フリーマーケット」的なプラットフォームとして、電気代ゼロ社会の実現を目指す
- AIやデジタル技術を活用し、再生可能エネルギーの主力電源化を推進
- 蓄電池事業や調整力事業への参入で成長を目指す
- 脱炭素社会の実現に貢献し、エネルギーの民主化を進める
- 企業の脱炭素化ニーズに対応したサービス拡充を継続
デジタルグリッドの業績推移
業績推移は以下の通りです。
算期 売上高(百万円) 経常利益(百万円)
2020年3月期 190 -665
2021年3月期 186 -362
2021年7月期 176 -43
2022年7月期 1,210 36
2023年7月期 1,691 443
2024年7月期 3,515 1,253
2025年7月期予 5,587 2,186
売上高・経常利益は急速に増加傾向にあり、2024年7月期は前期比2倍以上と成長力がすさまじいです。
利益率が3-4割近い点も魅力的ですね。
またIPOでの調達資金の使途としては、以下が挙げられています。
- 主用途:系統用蓄電池設備の設備投資(グループ会社への投融資)
- 予備用途:事業拡大の運転資金、人件費、借入金返済など
蓄電池設備の需要増加が見込まれているようですね。
各家庭に太陽光発電機を設置した場合でも、蓄電池を設置すれば電力売買もできるとのことで注目されていますね。
まとめ
今回はIPO銘柄デジタルグリッドについて調査してみました。
- デジタルグリッドは2017年創業、東大発の電力取引プラットフォーム企業
- 発電家と需要家を直接結ぶAI活用の電力取引市場を運営
- 再エネ普及・脱炭素社会の実現を目指し、事業領域を拡大中
- 売上・利益ともに急成長を続けている
直近の電力需要の急増や、電力値段の注目もあるので、目新しさの面から人気化するのではないかと感じています。
上場後の値動きには期待が持てますね。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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