こんにちは、きんかぶるーむです。
2024年7月のIPO案件で、IPS細胞関連会社が7/30(火)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】Heartseed株式会社、ハートシード(証券コード:219A)
初値は1548円となり公開価格の1160円を33.4%上回りました。
期間(90日or180日)か公開価格の1.5倍でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
2024年7月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
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早速どのような企業なのか調査し、Heartseedの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:3/5点
- 成長性:1点
- 早期上市での黒字化必要。マイルストーン到達次第。
- 独自事業性:4点
- 心筋再生の再生医療関連で独自性高い
- 初値期待値:4点
- 公募価格+33.4%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
Heartseedの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2015年11月 | 東京都渋谷区にHeartseed株式会社(資本金25,000千円、資本準備金25,000千円)を設立 |
2016年3月 | 心筋の純化精製に関する特許を慶應義塾大学より移管 |
2016年5月 | 移植可能なiPS細胞由来再生心筋細胞の製造方法に関する共同研究契約を慶應義塾大学と締結 |
2016年6月 | 高品質なiPS細胞の製造方法に関する特許を慶應義塾大学より移管 |
2016年10月 | 心筋再生医療の実用化に必要な関連4特許を慶應義塾大学より移管 未分化幹細胞除去剤及び未分化幹細胞除去方法に関する特許の独占的通常実施権を慶應義塾大学より取得 |
2017年11月 | 東京都港区に本店を移転 |
2018年3月 | iPS細胞作製に関する特許を慶應義塾大学より移管 |
2018年9月 | 他家iPS細胞由来再生心筋球移植療法が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」の補助対象先に選出 |
2018年10月 | 東京都新宿区に本店を移転 |
2018年12月 | 慶應義塾大学と特許出願譲渡契約及び特許実施許諾契約に基づき合計8特許に対する実施料の支払い料率を合意 |
2019年4月 | iPSアカデミアジャパン㈱と、指定国立大学法人京都大学(以下「京都大学」という。)より実施許諾されているiPS細胞技術関連特許について、非独占的通常実施権を許諾する契約を締結 |
2020年3月 | 伊藤忠ケミカルフロンティア㈱と資本業務提携 |
2020年3月 | ㈱メディパルホールディングスと資本業務提携 |
2020年9月 | 川崎市のかわさき新産業創造センター(KBIC)内に研究スペースを増設 |
2021年3月 | KBICでの心筋再生医療の研究開発事業が、内閣府が指定する「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」の事業として川崎市より認定 |
2021年5月 | ノボノルディスク エー・エスと、全世界を対象とする独占的技術提携・ライセンス契約を締結 |
2022年3月 | 東京都が実施する「未来を拓くイノベーション TOKYO プロジェクト」に採択 |
2023年2月 | 虚血性心疾患に伴う重症心不全患者さんを対象とするHS-001の国内第Ⅰ/Ⅱ相治験(LAPiS試験)において、1例目投与完了を公表 |
2023年9月 | 東京都港区に本店を移転 |
2023年9月 | 自家iPS細胞由来再生心筋球移植療法が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業」の補助対象先に選出 |
2023年9月 | 脂肪酸合成阻害法による未分化iPS細胞除去に関する知財のバイオテック企業へのライセンスアウトを発表 |
2023年11月 | アイ・ピース㈱作製の複数ドナー由来のiPS 細胞を用い、高純度心筋の安定した作製に成功したことを発表 |
Heartseed株式会社は、iPS細胞を用いた心臓再生医療の実現を目指すバイオベンチャー企業です。
2015年に設立され、東京都新宿区に本社を構えています。
創業者であり代表取締役社長の福田恵一教授は、慶應義塾大学医学部循環器内科で長年にわたり心筋再生医療の研究を行ってきており、IPS細胞が話題になってきた10年前から研究開発に着手してきたようですね。
Heartseedの事業内容
Heartseedは主に心筋再生医療の事業で成り立っています。
ミッションとビジョン
Heartseedのミッションは、「再生医療で心臓病治療の扉を開く」ことです。
心不全は心臓移植以外に根本的な治療法がないため、iPS細胞から作製した心筋細胞を移植することで新しい治療法を提供しようとしています。
この治療法は、特殊な装置や海外渡航、ドナー探しを必要とせず、誰もが容易に受けられる「当たり前の治療法」を目指しています。
技術と開発
Heartseedは、iPS細胞から高純度の心室心筋細胞を作製し、患者の心臓に移植する技術を開発しています。
主力製品である「HS-001」は、他家iPS細胞由来の再生心筋であり、重症心不全の治療を目的としています。
この技術は、心筋梗塞や拡張型心筋症などの収縮不全による心不全に対して効果が期待されています。
資金調達とパートナーシップ
Heartseedは、設立以来、複数の資金調達ラウンドを経ており、2023年にはシリーズDで約20億円を調達しました。
また、2021年にはNovo Nordisk社との技術提携・ライセンス契約を締結し、国内外での治験を進めています。
今後の展望
Heartseedは、HS-001の国内薬事承認と早期の海外治験開始を目指しており、再生医療が「当たり前の治療法」となることを目指しています。
さらに、次世代パイプラインや効率的・効果的なiPS細胞作製関連の研究も進めており、心臓病の領域における真の再生医療の実現を目指しています。
直近上場したコージンバイオは培地の製造会社であり、実験には不可欠なので、このような企業が増えると需要が増えていきそうですね。
IPS細胞関係の研究開発がようやく事業レベルまで来たという段階ですね。
Heartseedの業績推移
業績推移は以下の通りです。
売上高・経常利益は急速に減少傾向にあります。
Heartseedは研究段階の企業であり販売承認を取得した製品群を保有しておらず、また、開発段階の進捗によりノボノルディスク エー・エスから取得する開発マイルストン収入が売上高に計上されています。
しかし不確実性が高いため、今後は早期の上市を目指し、研究開発及び臨床試験の進捗状況及び研究開発資金と費用のバランス等を注視しながら、事業を推進していく戦略のようです。
またIPOでの調達資金の使途としては、リードパイプラインのほか、新規のパイプラインの開発や必要な経営資金に充当されるようです。
まずは主要事業の継続収益化の実現が必要ですね。
まとめ
今回はIPO銘柄Heartseedについて調査してみました。
- 設立から約10年でIPO.心筋再生医療に取り組む
- 赤字脱却のため、早期の収益化が必要
2024年はバイオ企業の上場が目立ちます。
コージンバイオ、Veritas In Silico、PRISM Biolab、コーディア セラピューティクスなど初値の上昇期待値も高いですね。
グロース市場筆頭のサンバイオが注目されていることもあり、バイオ株の過熱感から人気化するのではないかと感じています。
上場後の値動きに注目です。
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それではまた。
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