こんにちは。きんかぶるーむです。
2024年2件目のIPO案件として、mRNA・バイオ創薬プラットフォーム関連会社が2/8(木)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】Veritas In Silico(Veritas In Silico Inc.、ヴェリタス イン シリコ:証券コード:130A)
なんと証券コードが通常の数字4桁ではなく、数字3桁+アルファベットになっていますね。
問題なく上場すれば記念すべきアルファベット第一号になります。
初値2010円で、公開価格は1000円なので、+100.1%の上昇になりました。
期間(90日or180日)でロックアップが設定されているので、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
VCが多く、上場後は売り圧力懸念が高いですね。
2024年2月は他にもIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、Veritas In Silicoの特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:4/5点
- 成長性:3点
- 売上高の伸びは期待
- 独自事業性:4点
- 創薬プラットフォームでのブルーオーシャン狙い
- 初値期待値:5点
- 公募価格+100.1%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
Veritas In Silicoの会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2016年11月 | 東京都渋谷区に株式会社Veritas In Silicoを設立(資本金110万円) |
2017年5月 | 三菱瓦斯化学株式会社及びベンチャーキャピタルの出資のもと(シリーズA資金調達)、RNA構造解析技術を活かし、小規模なバイオテク企業でも取り組み可能なmRNAを標的とする核酸医薬品の創薬研究を主事業として開始 |
2017年7月 | 共同研究先である新潟薬科大学内(新潟県新潟市秋葉区)に研究拠点を開設 |
2018年4月 | 主事業を核酸医薬品からmRNAを標的とする低分子医薬品の創薬プラットフォーム事業に転換 |
2018年4月 | mRNA標的低分子創薬研究のための研究拠点をかわさき新産業創造センター内(神奈川県川崎市幸区)に開設 |
2019年3月 | mRNAを標的とする低分子医薬品の創薬プラットフォーム事業に注力する方針を決定(シリーズB資金調達) |
2020年10月 | RNAを標的とした低分子創薬のビジネスモデルに関する特許取得(日本) |
2021年7月 | 東レ株式会社とmRNAを創薬標的とする低分子医薬品の創出を目的とした共同創薬研究契約を締結 |
2021年11月 | 塩野義製薬株式会社とmRNAを創薬標的とする低分子医薬品の創出を目的とした共同創薬研究契約を締結 |
2021年12月 | 新規技術の開発・導入等によるmRNAを標的とする低分子医薬品の創薬プラットフォーム事業の拡大方針を決定(シリーズC資金調達) |
2022年12月 | ラクオリア創薬株式会社とmRNAを創薬標的とする低分子医薬品の創出を目的とした共同創薬研究契約を締結 |
2023年5月 | Oncodesign ServicesとmRNAを創薬標的とした低分子医薬品開発を目指す製薬会社のニーズに応えるため、事業協力に関する基本合意書(MOU)を締結 |
2023年6月 | 武田薬品工業株式会社とmRNAを創薬標的とする低分子医薬品の創出を目的とした共同創薬研究契約を締結 |
2016年に創業者である中村慎吾が「mRNAを標的とする低分子創薬」を広く製薬会社へ提供することが製薬業界に共通する課題への解決策になるとの考えの元、発足された会社になります。
中村慎吾は元武田薬品工業株式会社の社員だったようで、在職中の2004年から「メッセンジャーRNA(mRNA)を標的とする低分子創薬」の実現を目指すプロジェクトに携わっており、社内のプロジェクト中断に伴って独立、起業に至ったようです。
私は学生時代に分子細胞生物学を学んでいたことがあるのですが、2004年という昔からmRNAのような技術の実用化の動きがあったことに驚いています。
独立からの起業の動きも行動力がすごいですね。
Veritas In Silicoの事業内容
Veritas In SilicoはメッセンジャーRNA(mRNA)を標的とする低分子医薬品の創出に取り組み、患者に対して希望の治療法を提供するため、事業を行っています。
mRNAを標的とする低分子創薬を活用すれば、従来のタンパク質を標的とする創薬技術では狙えなかった様々な疾患にも対応可能になります。
有効な治療薬や治療法がなく未だ満たされない医療ニーズの充足につながることが期待されています。
Veritas In Silicoは創薬プラットフォーム事業で成り立っています。
独自の創薬プラットフォーム「ibVISⓇ」を活用し、複数の起業と共同で創薬研究を実施する「プラットフォーム型」のビジネスを展開しているようです。
- mRNA標的低分子創薬
- mRNA標的低分子創薬によってmRNA上に低分子医薬品が結合できそうな部分構造ターゲット化し、ターゲット構造に結合し安定化する低分子医薬品によって、mRNA上の翻訳阻害、制御を行う。
- ibVISⓇプラットフォーム
- ターゲット探索からスクリーニング、ヒット化合物検証、リード化合物最適化までワンストップで提供することが可能。
mRNA標的低分子創薬はタンパク質を標的とした従来創薬で研究開発が困難であった疾患に対して適用できる潜在性を秘めているので、技術が実用化できれば非常に大きな市場を獲得できる創薬アプローチになります。
東レや塩野義製薬、武田薬品工業などとすでに共同創薬研究契約を締結できているので、名だたる大企業からも注目度が高い分野であると考えられます。
Veritas In Silicoの業績推移
業績推移は以下の通りです。
2022年12月期に売上高は急速に増加傾向にあります。
しかし、経常赤字が続いており、会社状況としてはまだまだ投資段階のようです。
ビジネスの特徴としては、非臨床試験前の創薬研究を主としているため、製薬パートナーが行う非臨床試験以降の開発に係るコストを負担する可能性が低いこと、
また、プラットフォーム型ビジネスモデルでの展開で、開発・上市まで進捗しなくとも短期の一時金、研究支援金、研究マイルストーンの事業収益を計上させるような契約を締結して、安定的な業績確保が可能になる点が挙げられます。
今後の業績拡大は、2023年6月の武田薬品工業株式会社との提携のように、規模の大きい製薬会社や海外製薬会社などをパートナーとできるかどうかにかかりますね。
またIPOでの調達資金の使途としては、プラットフォーム事業の強化、創薬に係る研究開発費、それらに関連する設備・人材への投資等に充当されるようです。
2023年11月30日時点で従業員数が15名で少数精鋭部隊になっており、規模としては小さいです。
製薬業界では一つのプロジェクトに数名規模でチーム対応する場合が多いので、できる範囲として非常に限られてしまうのが難点ですね。
有価証券報告書には、「将来の事業拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります」との記載があるので、バイオ業界にはよく見られることですが、上場後の増資懸念には注意が必要です。
まとめ
今回はIPO銘柄Veritas In Silicoについて調査してみました。
- 会社設立は2016年でまだ日は浅いが、創薬プラットフォームで注目度高い
- 製薬大手からの引き合いがあり、提携実績あり
- 成長のカギは海外含む大手製薬企業とのパートナー化
バイオ銘柄は夢がありますが、増資等で資金調達していくので上場後には比較的厳しい評価がされます。
赤字から早く脱出し、黒字バイオ銘柄として頭角を表す必要がありますね。
上場後の値動きに注目です。
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