こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年9月のIPO案件で、印刷、包装関連会社が、9/22(金)に東証スタンダード市場に上場します。
【企業名】笹徳印刷(証券コード:3958)
笹徳印刷の公開価格は600円です。
初値は9/22に680円になりました。公開価格の13.3%の上昇です。
大株主のロックアップが180日で設定されているので、上場後しばらくは需給が締まっていそうです。
2023年9月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たしています。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
早速どのような企業なのか調査し、笹徳印刷の特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:2.00/5点
- 成長性:1点
- 売上高横ばい。
- 独自事業性:2点
- 印刷業で目立った特異性なし。
- 初値期待値:3点
- 公開価格+13.3%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
笹徳印刷の会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
1950年7月 | 社名を合資会社笹徳紙器製作所から笹徳紙器印刷株式会社(現笹徳印刷株式会社)として法人組織を設立 |
1952年2月 | 名古屋明和印刷株式会社の全施設を吸収合併し、名古屋市港区に港工場を新設し総合印刷業へ展開。 |
1963年12月 | 社名を笹徳紙器印刷株式会社から笹徳印刷工業株式会社に変更。 |
1968年5月 | 東京都板橋区前野町に新規新鋭機械を備えたワールド印刷工業株式会社(現関東工場)を設立。 製版事業効率化のため、東京都中央区銀座に株式会社本州プロセスセンターを設立。 |
1986年5月 | 本社工場内にクリーンルームを設け、超精密印刷技術分野へ進出。 |
1988年1月 | グラビア製版を自社製造するため、株式会社サピックを愛知県豊明市に設立。(2018年に吸収合併。) |
1992年4月 | 創業100周年を機にCI(コーポレートアイデンティティ)を導入し、新しい志を持つ企業として、笹徳印刷工業株式会社から笹徳印刷株式会社に社名と社章を変更。 |
1997年11月 | 中国江蘇省無錫市に外貿無錫印刷廠と合弁による無錫世徳紙品印務有限公司を設立。 |
2004年11月 | 中国無錫市に独資で、クリーン化総合印刷工場の世徳印刷(無錫)有限公司を資本金6億円で設立。 |
2013年12月 | インドネシアのジャカルタにPT.SASATOKU INDONESIAを設立 |
2021年11月 | 中国環境保護情勢の高まりにより、ハイテク機械設備導入を視野に入れた世徳印刷科技(無錫)有限公司を設立。 |
2023年3月 | 中国江蘇省無錫市錫山区に世徳印刷科技(無錫)有限公司を開業。 |
1890(明治23)年8月、笹徳印刷の創業者である杉山徳三郎が名古屋市茶屋町に、屋号を「笹徳」、名を「杉山紙函店」として、紙函の製造業を創業したことが会社の始まりになるようです。
創業からは130年が経過しており、老舗中の老舗企業になりますね。
上記の沿革は1950年に株式会社として法人組織を設立し、総合印刷業への業態展開と組織体制を充実させることを決意し、社名を「笹徳紙器印刷株式会社」に変更した時点からの経緯を表しています。
印刷業を中心に発展しており、1990年代からは日本だけではなく、インドネシアや中国などグローバル展開も行っています。
笹徳印刷の事業内容
笹徳印刷は紙類及び包装資材の製版、印刷、加工並びに販売事業を行っています。
印刷、加工、販売促進、デザインに強みを持ち、
出版物、宣伝広告媒体や情報サービス事業、ソフトウェアなどの企画、開発、製作、編集及び販売を行っているようです。
大別すると以下に分類されます。
- パッケージ
- 販売促進ツール
- 商業印刷
- メディア販売促進ツール
パッケージング分野については、各拠点に工場を設け、高速道路を活用することにより、
紙器及び軟包装など包装資材パッケージの企画設計、印刷、加工までを一貫生産し、顧客にタイムリーに供給できる体制が整っているようです。
笹徳印刷の業績推移
笹徳印刷の直近5期の業績推移は以下になります。
売上高・営業利益はほぼ横ばい状態にあります。
スタンダード市場への上場となりますが、印刷業がメインということもあり、売上の急激な成長性はあまり見込めないようです。
利益率は改善傾向で2022年6月期は5.9%になっています。
笹徳印刷の取引先において、7割以上の企業と長年にわたって取引が持続しており、事業の継続性としては高いものがあるようです。
また、包装印刷業界としては、今後通販市場やEC市場の拡大、インバウンド需要の回復、プラスチックごみによる海洋汚染問題から、脱プラ化による紙器需要のニーズが高まっている背景を受けて、
堅調に推移することが予測されているようです。(2022年度893億円(2018年度対比で+20%))
スターバックスをはじめ多くの飲食業界で脱プラの動きは高まっているため、追い風にはなりそうですね。
企業の信頼を得つつ、取引先の高い継続率を維持することで、継続的に伸びていく可能性はありそうです。
またIPOでの調達資金の使途としては、原材料の購入費用のほか、運転資金及び生産設備の更新を中心とした設備投資が挙げられています。
物価高も続いているので、利益は圧迫される方向に傾くかもしれませんね。
まとめ
今回はIPO銘柄笹徳印刷について調査してみました。
- 創業130年の超老舗企業
- 取引企業との継続率高い。
- 成長のカギは包装事業の需要取り込み
メーカーとしての信頼性は確かだと思いますので、長期的に株を保有される方は多いのではないかと推察します。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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