こんにちは。きんかぶるーむです。
2023年10月のIPO案件で、マーケティングサービス関連会社が10/23(月)に東証グロース市場に上場します。
【企業名】売れるネット広告社(証券コード:9235)
公開価格は910円、10/23に初値は837円(公開価格-8.0%)となりました。
ロックアップが180日間でかかっており、上場後しばらくは需給が引き締まっていそうです。
2023年10月は他にも多数銘柄がIPOで上場を果たします。
☆他の銘柄分析はこちらのIPOリストからご確認ください。
企業のブランディングやCM等にかける費用はコンプライアンスとの兼ね合いもあり、企業によって特色がわかれます。
早速どのような企業なのか調査し、売れるネット広告社の特徴を確認していきます。
総合評価
総合評価:1.3/5点
- 成長性:1点
- 直近業績右肩下がり
- 独自事業性:2点
- マーケティング支援はコンサル業界で多数
- 初値期待値:1点
- 公募価格-8.0%
*このブログではIPO銘柄を成長性、独自事業性、初値期待値の3つの観点から評価し、総合評価としています。
*あくまで管理人の独自基準ですので参考程度でご覧ください。
売れるネット広告社の会社概要
会社沿革
年月 | 概要 |
2010年1月 | 資本金100万円で設立 |
2011年9月 | ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス「売れるネット広告つくーる」を株式会社Fusic(福岡県福岡市)と共同開発・リリース |
2012年10月 | 資本金を1,000万円に増資 |
2012年10月 | 「売れるネット広告つくーる スマホ版」をリリース |
2017年8月 | マーケティング支援サービス「最強の売れるメディアプラットフォーム」をリリース |
2018年6月 | 「売れるネット広告つくーるver2」をリリース |
2019年4月 | 「売れるネット広告つくーる」事業を株式会社Fusicより吸収分割 |
2022年5月 | サービス名称を「売れるネット広告つくーる」から「売れるD2Cつくーる」に変更 |
創立からは10年以上経過しており、マーケティング支援サービスを通じて成長してきたようです。
2023年に上場したFusicとクラウドサービスを共同開発するなど関連があるようですね。
ネットマーケティングは各社の広告宣伝費にも直結してくるので、効率の良いマーケティングという面では非常に魅力的なサービスですね。
売れるネット広告社の事業内容
「“最強の売れるノウハウ”を用いて関わるすべての企業を100%成功に導くことで世界中にたくさんのドラマを創る」という企業理念を掲げ、
D2C(ネット通販)事業者がサービスを活用して、インターネット広告宣伝費の効果改善、業績拡大することを目的として事業を展開しています。
売れるネット広告社は主に以下の2つの事業で成り立っています。
- ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス
- 売れるD2Cつくーる:D2C(ネット通販)の広告に必要な機能をワンストップで提供
- 売れるネット広告でざいん:クライアント商材に合わせたランディングページ企画・ディレクション、コーディング作業、広告原稿のクリエイティブの制作
- 売れるネット広告こんさる:ネット広告活動全般の有料のコンサルティング
- マーケティング支援サービス
- 「売れるD2Cつくーる」クライアントにのみ提供。クラウドサービスで制作されたランディングページに、インターネット上広告を配信するサービス
「売れるD2Cつくーる」は2019年にFusicより当サービスを吸収分割し、単独事業として現在も主力サービスの一つとなっています。
D2Cとは…
Direct to Consumerの略。
自ら企画、生産した商品を広告代理店や小売店を挟まず、ソーシャル・メディアやECサイト、直営店舗で消費者とダイレクトに取引する販売方法。
各サービスの利用料は以下になります。
- 売れるD2Cつくーる
- 14万9,800円/月 (1クライアント。年間契約・契約から2ヶ月の無料期間あり)
- 売れるネット広告
- 98万円以上/1商材(ランディングページ作成の場合)
- 売れるネット広告こんさる
- 月額50万円(1クライアント)
ストック型のビジネスモデル構築のためには、売れるD2Cつくーるサービスを継続的に利用してもらうことが必要になりますね。
売れるネット広告社の業績推移
2020年まで売上高・営業利益は増加傾向にありましたが、2021年-2022年期は売上高が急速に減少し、2022年7月期は赤字転落しています。
2022年期は既存大口取引先1社の取引金額が減少したことから、全体の売上が減少し、減収の要因となっているようですが、1社への依存度が大きく、高リスクのビジネス状況であることが推測されます。
また「売れるD2Cつくーる」の解約率は2020年7月期は23%、2021年7月期は62%、2022年7月期は58%と推移しているようです。
会社コメントでは値引きによる契約社数増加の影響もありとのことですが、
非常に高い解約率であると考えられますので、サービスの質に問題ありということでしょうかね。
地方の老舗メーカーなどは販路拡大の需要があると思いますので、ターゲットをある程度分散させて、物販系分野のEC市場での事業展開が理想ですね。
またIPOでの調達資金の使途としては、既存サービスの更なる機能拡充を目的とした開発費、優秀な人材の確保に伴う人件費に充当する計画のようです。
解約率の改善に向けた開発が期待されますね。
【IRニュース】
2024年1月31日に「Amazon コンサルティング事業及びAmazon 広告運用事業」が新規事業として発表され、一気に人気化しています。
- Amazon コンサルティング事業
- Amazon におけるアカウントの立ち上げ、商品ページの最適化、レビュー対策、転売対策、SEO 対策等の総合的な支援
- Amazon 広告運用事業
- AI を用いた Amazon 広告自動運用ツールを活用しつつ、Amazon 内での最適な広告運用の実施
その他にも、売れる越境EC社の設立など販路拡大に向けての施策を次々と発表しています。
上場後しばらくは株価が低迷していたものの、2024年2月9日には公開価格の約3.5倍もの水準である3000円に乗せています。
今後の業績拡大に期待がかかりますね。
まとめ
今回はIPO銘柄売れるネット広告社について調査してみました。
- ネットマーケティングサービスで事業拡大
- 物販系EC分野での成長が鍵
- サービスの解約率低下が必須
直近業績等厳しい状況ですので、人気化は難しい可能性が高いです。
上場後の値動きに注目です。
☆他にも多数のIPO銘柄の分析を実施していますのでこちらから確認ください。
☆IPOのオススメ証券口座についてはこちらで紹介していますので、ご覧ください。
それではまた。
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